SR-2

SR-2 «ヴェレスク»の概要

SR-2 «ヴェレスク»は、ロシア連邦のTsNIITochMashが1999年に開発した短機関銃（PDW）です。この武器は9×21mmギュルザ弾を使用し、特に特殊部隊向けに設計されています。

開発背景

9×21mm弾は1993年に開発が始まり、その後、FSBからの要請を受けて1990年代中頃に銃器の開発要件が提示されました。1999年にはSR-2として発表され、2000年からは実際の運用が開始されました。この銃は、SR-1 «ギュルザ»とともに利用される特殊仕様の弾薬SP-10、SP-11を使用し、ロシアの各機関に提案されました。SR-2は、最大200mの距離で特定の防護具を装着した目標や非装甲車両に効果的な攻撃ができるよう設計されており、100mの範囲では4mmの鋼板を確実に貫通します。

構造とデザイン

SR-2のマガジンは、鋼製の20連または30連ダブルカラムタイプで、握りやすさを考慮してグリップ内に配置されています。銃床は上下に折りたたむことができる構造で、コンパクトに収納することが可能です。また、ハンドガードとグリップは樹脂製で、その他の部分は金属で作られています。

安全装置はAKシリーズと類似のデザインで、セーフティ位置や発射可能位置はそれぞれПとОと表示されています。セレクターは大型で、凍結防止機能があり、セミオート射撃とフルオート射撃の位置も明確です。銃床にはスリングを取り付けられる可動式のスリングスイベルが備わっており、実用面でも優れています。

初期の開発段階では、切り替え可能なリアサイトが設計されていましたが、最終的には特別なマウントが追加され、標準でKP SR-2専用の照準器が装着されることになりました。この改良により、射撃精度が大幅に向上しました。また、GZV-SR2サイレンサーの取り付けも可能です。

SR-2は他の短機関銃とは異なり、ガス圧作動方式を採用しています。銃身上に搭載されたロングストロークガスピストンがガス圧によって作動し、高速射撃を実現しています。この銃の主な利点は、射撃精度の高さ、9×21mm弾による高い火力、そしてコンパクトなデザインにより、自己防衛や狭い空間での戦闘に最適である点です。現在も様々な特殊部隊や機関で幅広く運用されています。

派生型

ヴェレスク

SR-2の初期プロトタイプであり、ハンドガードは木製でした。変更が加えられた後、改良型SR-2と同様のデザインに進化しました。

SR-2«ヴェレスク»

最初の量産モデルですが、細かな故障が多発したため、すぐに改良型に代替されました。

SR-2M«ヴィレスク»

SR-2の改良モデルで、銃口下の形状が変更され、ハンドガードにピカティニーレールを追加することが可能になりました。

SR-2MP«ヴェレスク»

更なる改良が加えられたSR-2Mの後継モデルであり、ピカティニーレールの追加や特殊な銃床が選択できるようになりました。

このようにSR-2は、ロシアの特殊部隊向けに設計された高性能な短機関銃として、多くのバリエーションを持ち、運用されています。

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