SXF

SXF（エス・エックス・エフ）は、CADデータ交換標準コンソーシアム（SCADEC）によって提唱された、異なるCADシステム間でデータをやり取りする際に用いられる中間ファイル形式です。正式名称はScadec data eXchange Formatといい、図面の電子納品における標準ファイルとして広く採用されています。

SXFの概要

1999年3月、国土交通省の主導のもと、CADデータ交換標準コンソーシアム（SCADEC）が設立され、SXFの開発が始まりました。この規格は、STEP（Standard for the Exchange of Product model data）規格の一つであり、特に「Part21 交換構造のクリアテキスト符号化」に準拠しています。

SXFのレベル

SXFには、レベル1からレベル4までの段階があり、それぞれが異なる機能と目的を持っています。

レベル1: 図面を画面上（または紙面上）で正確に再現することを目的とします。これにより、異なるCADシステム間でも図面の表示が一致し、意図した通りの表示が可能になります。
レベル2: 2次元CAD製図データの要件を十分に満たし、再利用時の使いやすさを確保することを重視します。データの再利用性を高め、効率的な設計作業を支援します。
レベル3: レベル4の仕様策定過程で必要とされる幾何部分の仕様を定義します。より高度な機能への橋渡しとしての役割を担います。
レベル4: STEP/AP202の製図機能に加え、建設分野特有の情報も付加し、3次元データも扱えるようにします。プロダクトデータの利用を可能にし、設計の幅を広げます。

SXFの物理ファイル形式

SXFの物理ファイル形式には、SFC（フィーチャコメントファイル）とP21（STEPファイル）の2種類があります。

P21: STEP/AP202に準拠した国際的に通用する形式です。これにより、国際的なデータ交換が円滑に行えます。
SFC: Scadec Feature Comment fileの略で、CADデータ交換用の形式です。P21よりもファイルサイズが小さく、データの効率的な取り扱いが可能です。

SXFの利用と課題

SXFの仕様は公開されており、仕様書は下記リンクから入手可能です。また、C言語で扱える共通ライブラリも提供されており、開発者にとって使いやすい環境が整えられています。現在、多くのCADソフトウェアがSXFに対応していますが、CADアプリケーションの仕様上の問題から、データが完全に同じように扱われるとは限りません。このため、一部の組織ではSXFの出力品質を認証する検定を実施し、データの信頼性を確保しています。

関連情報

オープンCADフォーマット評議会: CADデータ交換に関する議論や情報交換を行う組織。
SXF技術者検定試験: SXFに関する知識や技術を測るための試験。

外部リンク

CADデータ交換標準開発 (JACIC)
オープンCADフォーマット協議会
OCF最新動向ブログ
CALS/EC 電子納品に関する要領・基準

SXFは、CADデータ交換の円滑化に貢献する重要な規格であり、今後もその利用と発展が期待されます。

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