Santa Fe

写真集『Santa Fe』の概要

『Santa Fe』は、1991年11月13日に朝日出版社から刊行された宮沢りえのヌード写真集で、著名な写真家篠山紀信が撮影を担当しました。この写真集は、当時18歳の宮沢がモデルとなっており、155万部の売上を記録し、日本の芸能人写真集としての歴史に名を刻むこととなります。この売上数は、未だに破られていない記録として知られています。

発売前からの話題

発売当初、日本国内ではヘアヌードが徐々に受け入れられ始めており、特に発売の約1か月前には、全国の主要新聞にこの写真集の広告が掲載され、多くの注目を集めました。このような背景もあって、『Santa Fe』は社会現象として位置づけられ、多くの女性芸能人が続いてヘアヌード写真集を出版する土壌を作りました。ただし、実際の写真集には性毛が写っているカットはごくわずかで、全体的には遠目のショットやシルエットが中心です。

撮影の舞台

この写真集の撮影は、アメリカ・ニューメキシコ州のサンタフェ市で行われました。サンタフェは「芸術の町」として知られており、篠山は、美しい宮沢を聖なる場所で撮影したいという思いから、この地を選びました。撮影時期は1991年5月で、宮沢はその時期の年齢について様々な議論もあったものの、一般的には18歳として扱われています。

撮影に至る経緯

撮影のきっかけは、篠山が宮沢の母親と会話を交わした際に、「りえちゃんも18歳になったからヌードでも撮ったらどうか」と提案したことに端を発します。篠山は彼女の美しさに惹かれ、母親にその話を持ちかけた結果、撮影の計画が進むことになりました。このことから、宮沢自身の意志ではなく、母親を通じて進展した面があることがわかります。

児童ポルノに関する議論

2009年には、この写真集が国会で「児童ポルノ」に当たるかどうかの議論が巻き起こりました。児童ポルノ禁止法では、18歳未満の者をモデルにした作品が対象となるため、宮沢の年齢についての検証が行われました。議論の中で、宮沢が18歳のときに撮影されたとする意見や、逆に17歳のときに撮影されたとする主張が混在し、本写真集の位置付けに疑問が持たれました。

社会的影響

国会でのやり取りの後、同写真集の価格がインターネットオークションで急騰し、当初の定価4500円から14500円にまで上昇したというエピソードもあります。これは、政治的な議論を受けてのものであり、社会的な関心の高まりを示しています。

その他の影響

また、『Santa Fe』は音楽シーンにも影響を与え、電気グルーヴのPVにもその表紙が使われるなど、文化の多様な側面においても重要な存在となっています。様々なメディアで取り上げられ、芸術作品としての価値や社会的議論の材料となったこの写真集は、今後も多くの人々によって語り継がれることでしょう。

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