Sd Kfz 223

Sd.Kfz.223について

Sd.Kfz.223、正式には軽装甲偵察車（leichter Panzerspähwagen Sd.Kfz.223）は、第二次世界大戦でドイツ軍が使用した4輪の無線装甲車です。この車両は1935年から1944年にかけて、合計550両が生産されました。

開発の背景

Sd.Kfz.223の開発は、軽装甲偵察車Sd.Kfz.222の派生型として始まりました。Sd.Kfz.222は20 mm機関砲を搭載した偵察用装甲車ですが、そのコンセプトを基に、無線通信特化型として改良されたのがSd.Kfz.223です。この改良は、Sd.Kfz.221の進化形とも言えるもので、無線機とアンテナが追加されています。

車両の設計

外観上、Sd.Kfz.223はSd.Kfz.221に非常に似ているものの、大きな特徴はその車体部分です。Sd.Kfz.223の装甲はSd.Kfz.222と同様に大きな容積を持ち、これによって装備の強化が図られています。小砲塔はオープントップ形式で、手榴弾からの防護のために開閉式の金網カバーが施されています。また、砲塔の位置は車両の中央から後方に寄せられ、無線機や無線手のスペースが確保されているのが特長です。

通信機器と機能

Sd.Kfz.223は大型のフレームアンテナを装備しており、必要に応じて後方に折り畳むことができました。さらに、後期モデルにはフレームアンテナの代わりに星型アンテナが搭載された車両も存在したと報告されています。1942年5月からは、Sd.Kfz.222と共にエンジンが強化され、油圧式ブレーキを備えた新型シャーシが導入されました。また、車体前面の装甲が30 mmに増厚され、強化が図られています。

配備と運用

Sd.Kfz.223は軽機甲師団、機甲師団及び機械化歩兵師団における装甲偵察中隊に配備され、特に遠距離通信任務を中心に活躍しました。しかし、4輪の装甲車両は東部戦線などの厳しい条件下での走破性に課題を抱えており、次第にSd.Kfz.250系列の半装軌式無線装甲車に取って代わられることとなります。

輸出と後の運用

Sd.Kfz.223は、ドイツ軍だけでなく中華民国やブルガリアなどにも輸出され、これらの国々でも使用されました。これにより、Sd.Kfz.223の影響力は戦争終了後も続いたと言えるでしょう。

参考文献

本車両に関する詳細な情報は、Peter ChamberlainとHilary Doyleの著書「ENCYCLOPEDIA OF GERMAN TANKS OF WORLD WAR TWO」などの資料に基づいています。

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