Sd Kfz 252

Sd.Kfz.252（軽装甲付弾薬トラック）

Sd.Kfz.252は、ナチス・ドイツが第二次世界大戦中に開発した特別な弾薬運搬車両であり、1936年に始まった歩兵支援用自走砲の開発に伴い生産されました。この車両は小型の装甲ハーフトラックで、主に突撃砲部隊に随伴して弾薬を運ぶ役割を果たしました。1940年から1941年にかけて、生産は413両に達しました。

開発の背景

Sd.Kfz.252は、III号戦車を基にした歩兵支援用自走砲の補助装備として設計されました。自走砲自体は短砲身75mm砲を搭載し、戦場での機動力を高めるために、弾薬運搬車や観測車も必要とされました。このため、デマーク製の半装軌式牽引車Sd.Kfz.10を基に、新しい装甲車両の開発が展開されたのです。

特徴

Sd.Kfz.252は、特別に設計された短いシャーシと完全掩蔽式の装甲車体を備えています。これは軽量さと機動性に配慮された設計であり、弾薬運搬車と観測車の共通デザインが取り入れられています。装甲厚は前面で18mmとなっており、敵からの攻撃に対する防御力を提供しました。

車体後部は大きく削減されており、ここには弾薬の積み降ろし用の観音開きのハッチが設けられています。これにより、迅速な弾薬の取り扱いが可能になりました。同時に、この車両は弾薬運搬用のトレーラーを牽引することが一般的でした。加えて、防御力を高めるために、車体両側には拳銃孔が設けられています。

武装と装備

資料によれば、Sd.Kfz.252はMG34機銃を装備しているとされていますが、これは車体に取り付けられているのではなく、下車戦闘用に車内に収納されていると考えられます。これにより、必要に応じて迅速に戦闘に移行することができました。

生産とその後

この車両の生産は1940年6月に始まり、デマーク社やヴェクマン社が主に製造を行いました。1941年にはドイッチェ・ヴェルケでも生産がスタートしましたが、Sd.Kfz.250シリーズの生産が始まると、Sd.Kfz.252との間には多くの製造上の違いが生じました。これが理由で、Sd.Kfz.252の生産は1941年9月で終了し、その後はより標準的なSd.Kfz.250の弾薬運搬車両であるSd.Kfz.250/6に置き換えられました。

まとめ

Sd.Kfz.252は、第二次世界大戦の中で重要な役割を果たした軽装甲の弾薬運搬車両であり、その設計と機能は当時の戦場における迅速な弾薬供給を可能にしました。特に突撃砲部隊との連携において、その機動性と防御力は大きな利点を提供しました。

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