Self Control (方舟に曳かれて)

Self Control (方舟に曳かれて)

「Self Control (方舟に曳かれて)」は、TM NETWORK|TM_NETWORKの9thシングルとして1987年2月1日にリリースされました。この楽曲は、同名のアルバム『Self Control』の先行シングルとして発表されたもので、元々はシングルとして制作されたわけではありません。しかし、音楽雑誌『GUITA BOOK』の担当者からの強い推しがあり、急遽シングル発売が決まりました。特に、宇都宮隆もこの楽曲を先行シングルとして推奨していました。

音楽的要素

この曲の特徴的な点は、イントロのリフがそのままサビのメロディに転用されている点です。また、歌詞には「アダムとイブ」や「ボニー＆クライド」といった象徴的な referenが含まれています。作曲した小室哲哉は、「この曲のトラックダウンの時に、音を20回ほど追加したかったが、自制心を働かせた」と語っており、自身の「セルフ・コントロール」を体現した結果だと語っています。

サビのボイスは、木根尚登の声をサンプリングしており、宇都宮や小室も試みましたが、最終的に木根の声が最も適していると判断されたとのこと。また、ジャケットでは木根が普段のトレードマークであるサングラスを外して撮影されており、その意図がファンの間で話題を呼びました。

シングルバージョンは、アルバムバージョンと微妙に異なり、特にアウトロが変更されている点が特徴です。アルバムバージョンではシンセブラスの和音で終わりますが、シングルバージョンではフェードアウトが取り入れられ、異なるボーカルテイクが用いられています。さらに、カップリング曲の「Instrumental Mix」では、サビのサンプリング音声やコーラスがカットされており、純粋なインストゥルメンタルに仕上げられています。

テレビでのパフォーマンス

この曲の成功により、TM NETWORK|TM_NETWORKはテレビ番組『夜のヒットスタジオ』に初出演し、これがグループのブレイクのきっかけとなりました。このパフォーマンスは、後のシングル「Get Wild」への布石ともなりました。久しぶりに披露された2014年の『僕らの音楽』では、小田原豊（ドラム）や鳥山雄司（ギター）も参加し、さらには2016年の『坂崎幸之助の第2回ももいろフォーク村デラックス』で、ももいろクローバーZとのコラボユニット「TMももいろクローバーZ」としても演奏され、新たなファン層を開拓しました。

評価と影響

その音楽スタイルは極めて先進的であり、音楽プロデューサーの澤野弘之も「サビのメロディに電子の声を用いるというアイデアは当時の自分には無いもので、とても魅了された」と回顧しています。

収録アルバムとカバー

本曲は、アルバム『Self Control』内に収録されている他、数多くのベストアルバムにも登場しています。この曲はTM NETWORK|TM_NETWORKの代表曲の1つとしてしばしば取り上げられ、2011年にglobeや2017年にはDREAMING MONSTERによってカバーされました。また、2024年にはCAPSULEによってもトリビュートアルバムに収録されることが決まっています。

「Self Control」は、TM NETWORK|TM_NETWORKにとっての重要な作品であり、彼らの音楽の進化を感じさせるトラックであると同時に、今でもファンに愛され続けています。

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