Sharp Auvi

シャープのオーディオブランド「Auvi（アウビィ）」

Auvi（アウビィ）は、シャープが展開していた1ビットデジタルアンプを搭載したオーディオ機器のブランドです。1998年にシャープが1ビットデジタルアンプの技術を発表したことを契機に、1999年には世界初の1ビットデジタルアンプである「SM-SX100」を発売。その後、2000年11月には、低価格の1ビットデジタルアンプを核としたシステムを「Auvi」ブランドとして展開を開始しました。

Auviの特徴

Auviの最大の特徴は、1ビットデジタルアンプの採用です。これにより、従来のアナログアンプでは難しかった小型化、低価格化を実現しました。また、音質面でも、デジタルアンプならではのクリアでパワフルなサウンドが評価されました。

製品ラインナップ

Auviブランドでは、単体アンプ、1ビットデジタルシステム、DVD1ビットデジタルシステム、1ビットネットワークミュージックシステム、1ビットMD/CDシステムなど、幅広い製品が展開されました。

単体アンプ

SM-SX1
SM-SX10
SM-SX100
SM-SX200
SM-SX300

1ビットデジタルシステム

SD-NX10（2000年11月）
SD-CX1（2000年11月）
SD-SG11（2001年6月）
SD-CX2（2001年11月）
SD-CX3（2001年11月）
SD-CX10（2002年3月）
SD-NX20（2002年6月）
SD-CX8（2002年9月）
SD-SG40（2002年12月）
SD-CX9（2003年8月）
SD-GX1（2004年11月）
SD-GX2（2006年4月）

DVD1ビットデジタルシステム

SD-AT10（2002年9月）
SD-VH90 / SD-VH9（2003年11月）
SD-MX1（2005年8月）

1ビットネットワークミュージックシステム

SD-AN1（2004年5月）

1ビットMD/CDシステム

SD-FX1（2000年11月）
SD-FX10
SD-FX100（カセットデッキ搭載）
SD-FX20
SD-FX200（カセットデッキ搭載）
SD-FX30
SD-FX33（USB再生端子搭載、Auviシリーズ最終機種）

特に「Auvi excellence（アウビィ エクセレンス）」と名付けられたハイグレードモデル「SD-SG11」は、スピーカーレスでELACやJBLのスピーカーとの組み合わせを前提とした限定モデルも用意され、高音質を追求するオーディオファンから高い支持を得ました。

Auviの展開終了とその後

2006年に発売された「SD-FX33」を最後にAuviシリーズの新製品は発表されず、2011年にはAuviシリーズ、およびそれ以前の「MD studio」シリーズともに展開を終了。シャープはオーディオ事業から一旦撤退しました。しかし、2021年6月には米VOXX社との合弁でオンキヨーホームエンターテイメント（当時、業績不振）を傘下に収め、オンキヨーテクノロジーを設立。これにより、シャープは間接的にオーディオ事業に復帰することとなりました。

1ビットデジタルアンプ技術の継承

Auviで培われた1ビットデジタルアンプの技術は、シャープのオーディオ事業撤退後も、技術者によって継承されています。2009年には、1ビットデジタルアンプを手掛けた技術者が定年後に創業したリリックが、「Nmode」ブランドで1ビットアンプをはじめとしたオーディオ機器を開発・販売しています。

まとめ

Auviは、1ビットデジタルアンプという革新的な技術を導入し、オーディオ業界に新たな風を吹き込んだブランドでした。その技術は、後のオーディオ機器開発にも大きな影響を与え、現在でもその技術は受け継がれています。Auviの製品は、その革新的な技術と高品質なサウンドで、多くのオーディオファンを魅了しました。

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