Short cut

三谷幸喜監督作品「short cut」

2011年11月3日にWOWOWで放送されたテレビドラマ『三谷幸喜「short cut」』は、三谷幸喜が監督と脚本を務めた作品であり、彼のテレビドラマ初監督作品としても知られています。WOWOWの開局20周年記念番組として制作され、その革新的な撮影手法が話題を呼びました。

作品の特徴

本作の最大の特徴は、全編が「完全ワンシーン・ワンカット」で撮影されている点です。カメラは一度も止まることなく、役者は途切れることなく演技を続け、スタッフもそれに合わせて撮影を続けます。この緊張感のある撮影方法が、ドラマに独特のリアリティと臨場感を与えています。

あらすじ

物語は、結婚10年目を迎えた夫婦の日常を描いています。夫はテレビ局勤務のエリートサラリーマン、妻は広告代理店のADとして働いており、共働きで忙しい毎日を送る中で、二人の関係は冷え切っていました。妻の祖父の葬儀からの帰り道、二人は山道に迷い込みます。そこで、それまで抑えられていた不満が爆発し、激しい口喧嘩を始めます。終わりの見えない口論の中で、二人の気持ちは徐々に変化していきます。

キャスト

夫：中井貴一
テレビ局勤務のエリートサラリーマン。
妻（スズムラミサ）：鈴木京香
広告代理店に勤務するAD。
イワオ：梶原善
妻の同級生。

スタッフ

脚本・監督：三谷幸喜
撮影：山本英夫
鳴き真似指導：江戸家猫八（4代目）、江戸家小猫（2代目）
録音：瀬川徹夫
美術：黒瀧きみえ
美術監修：種田陽平
エンディングテーマ：荻野清子（三谷幸喜脚本の舞台「グッドナイト スリイプタイト」からの流用）
チーフプロデューサー：青木泰憲
プロデュース：徳田雄久、藤田知久
製作協力：C.A.L
製作著作：WOWOW

ロケ地

撮影は長野県の伊那市長谷地区（中尾・市野瀬）および秋葉街道、三峰川で行われ、伊那谷フィルムコミッションが撮影協力としてクレジットされています。自然豊かな風景が、ドラマの舞台として使用されています。

受賞歴

本作は、2012年日本民間放送連盟賞のテレビドラマ種目で最優秀賞を受賞しています。その独創的な演出と、出演者の演技が高く評価されました。

外部リンク

公式ウェブサイト
* 「short cut」メイキング番組

「short cut」は、ワンカット撮影という特殊な手法を用いながらも、夫婦の心の機微を丁寧に描き出した作品です。三谷幸喜の演出手腕と、中井貴一と鈴木京香の演技が光る、見応えのあるドラマと言えるでしょう。

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