Songwriter

「Songwriter」と題されたこのシングルは、1997年8月27日に音楽市場へと送り出されました。これは、シンガーソングライターであるKANにとって、通算22枚目にあたるシングルレコード盤です。KANの先行シングルにあたる「涙の夕焼け」の発表から、およそ1年のインターバルを経て世に問われた新曲が、この「Songwriter」でした。

本作に収められている表題曲「Songwriter」は、KANのキャリアを振り返る上で重要な楽曲の一つとして位置づけられています。その証左として、同年にはKANにとって初めてのシングルコレクションアルバムとなる『The Best Singles FIRST DECADE』がリリースされましたが、この作品にも「Songwriter」は収録されました。これは、デビューから10年間の活動を集約したベスト盤に選ばれるにふさわしい楽曲であったことを示唆しています。

さらに、この「Songwriter」というシングルは、KANのレコード会社との関係において、一つの区切りを象徴する作品でもあります。具体的には、当時所属していたマーキュリー・ミュージックエンタテインメントからリリースされた最後のシングルとなりました。このリリース後、KANは次なる活動の場をワーナーミュージック・ジャパンへと移すことになります。そのため、「Songwriter」は、一つのレーベルでの活動を締めくくるファイナルシングルという意味合いも持ち合わせています。

本シングルには、メインとなる楽曲「Songwriter」に加え、カップリング曲として「君を待つ」が収められています。さらに、リスナーがインストゥルメンタルとして楽曲を楽しめるよう、「Songwriter」のオリジナル・カラオケバージョンも収録された、合計3トラック構成となっています。

これらの収録曲すべてにおいて、楽曲の根幹となるメロディーと歌詞、すなわち作詞および作曲は、KAN本人が手掛けています。そして、楽曲の世界観を決定づけるサウンドアレンジに関しては、KANと小林信吾氏の二人が共同で担当しました。彼らの協力体制によって、このシングルのサウンドが構築されています。

総括すると、シングル「Songwriter」は、単なる一作というだけでなく、約1年ぶりの新曲発表であり、初のシングルコレクションへの選出、そしてレコード会社移籍前最後のリリースという、KANのキャリアにおける複数の重要な出来事が重なる時期に発表された作品です。このシングルは、1990年代後半におけるKANの音楽活動の一つの節目を明確に示す記録として、現在も多くのファンに記憶されています。

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