Sony Rolly

Rolly（ローリー）

Rollyは、ソニーが開発した革新的な小型音楽プレーヤーです。単なる音楽再生機ではなく、音楽に合わせて光りながら動くという、ロボットのようなユニークな機能が最大の特徴です。その名前は「Rolling（転がる）」と「Friendly（親しみやすい）」という言葉を組み合わせたもので、型番の「SEP」は「Sound Entertainment Player」の略です。開発主任は大口伸彦氏が務めました。

仕様

2007年9月29日にホワイトモデルが発売され、2008年4月19日にはブラックモデルが追加されました。型番はSEP-10BTで、内蔵メモリーは1GB、実売価格は39,800円でした。その後、2008年にはアメリカ仕様として内蔵メモリー2GBのSEP-30BTも発売されました。

卵型の本体にはボタン類がほとんどなく、代わりに加速度センサーなどが搭載されています。これにより、本体の車輪を回す、前後に押し引きする、振るなどの直感的な操作で選曲や音量調整が可能です。家庭での利用を想定したスピーカーであるため、イヤホン端子は搭載されていません。Bluetoothにも対応しています。

動作

付属の「Motion Editor」というアプリケーションを使用することで、ユーザーは独自のモーションを作成できます。これにより、音楽に合わせてRollyを自由に動かしたり、光らせたりすることが可能です。作成したモーションデータは、「モーションパーク」などのコミュニティで他のユーザーと共有できます。上野動物園などの企業が開発したモーションも配布されており、多様な楽しみ方が提供されています。

モーションパークで配布されたモーションを通じて、そのモーションに合った楽曲が購入された場合、モーションの作者にはソニーポイントが還元されます。モーションは、ボタンをダブルクリックした際に再生された楽曲の終了まで実行されます。ただし、モーションと対応させた楽曲が連続で再生されても、モーションは連続して実行されるわけではありません。

再生できるモーションの長さは最大7分までです。また、特定の時刻に音楽を再生する機能も搭載されていますが、モーションとの同時実行はできません。そのため、Rollyを動く目覚まし時計のように使うことはできません。Rollyはあくまでスピーカーであり、モーションは付加的な機能という位置づけです。

広告

Rollyはパソコンを必要とする製品であったため、広告はインターネットに限定されていました。ティザー広告で注目を集めたものの、実際には新型ウォークマンのような製品ではなかったため、消費者を戸惑わせる側面もありました。2007年8月20日に部分発表され、9月10日に正式発表されましたが、その間の9月6日にはAppleからiPod touchが発表されたため、携帯音楽プレーヤーとして比較されやすくなりました。

2007年11月26日には、プレイステーション3向けのコンテンツ『トロ・ステーション 383回 コロンとした子がやって来た』でRollyが紹介され、『まいにちいっしょ』ではRollyの3Dオブジェクトを部屋に飾れるようになりました。しかし、発売から2ヶ月後の時点では消費者の認知度は低く、意識調査では74.4%が「全く知らない」と回答しています。

関連商品

Rollyの開発は、ソニーのロボット技術を活用する試みの一環として始まりました。

AIBO：Rollyの開発のきっかけとなったロボット。
QRIO：踊る機能を持つロボット。
Q.taro：音楽に合わせて動く球形ロボット。Rollyとは別の開発者による製品。
ROB-1：Bluetoothで操作される球形ロボット。ソニー・エリクソン・モバイルコミュニケーションズ製。

類似商品

フラワーロック：タカラから発売された、音楽に合わせて花が動く玩具。
miuro：ZMPから発売された、音楽に合わせて動く二輪スピーカー。Rollyとの共通点が指摘されていた。
i-spin：セガトイズから発売された、音楽に合わせて回転するスピーカー。
ハロ：ガンダムシリーズに登場する球形ロボット。
コミックROLLY：ソニー・ミュージックエンタテインメントが配信する電子書籍アプリ。Rollyとは無関係。

脚注

Rolly Official Site

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