Steve Jobs Theater

スティーブ・ジョブズ・シアターは、Apple Park内にある1,000席を誇るイベントホールです。主にAppleの新製品発表会や記者会見の場として利用され、その特徴的なデザインと最先端の技術は世界中から注目を集めています。

デザイン

シアターはApple Park内の小高い丘に位置し、緑豊かなアプローチを通り抜けると、その姿を現します。地上には大きな円筒形のロビーがあり、そこから階段やガラス製のエレベーターで講堂へとアクセスします。ノースタンタウアベニュー側には350台分の駐車スペースが設けられ、メインキャンパスへ続く歩道も整備されています。

シアターの壁面は、高さ約6メートル、直径約50メートルの巨大な円筒形で、44枚の強化ガラス板で構成されています。驚くべきことに、これらのガラス壁は他の柱を必要とせず、メタリックカーボンナノファイバー製の屋根だけで支えられています。この構造により、周囲のキャンパスを遮ることなく、360度のパノラマビューを楽しむことができます。

屋根は80ショートトン（約73トン）のカーボンファイバー製で、44枚のパネルから成ります。これらのパネルは、ドバイのPremier Composite Technologies社によって製造され、各パネルは長さ約21メートル、幅約3.4メートルという巨大なサイズです。パネル同士は中央でロックされ、強固な構造を形成しています。また、配管や配線はガラスパネル間のシリコンジョイント内に組み込まれ、外観の美しさを損なわないように配慮されています。

イベント開催時には、入場時に飲食物が配布され、退場時には新製品の展示が行われるなど、訪れる人々に特別な体験を提供しています。2017年9月12日には、最初のプレスイベントが開催され、iPhone 8、iPhone 8 Plus、iPhone X、Apple Watch Series 3、Apple TV 4Kが発表されました。

技術

設計を担当したフォスター・アンド・パートナーズによると、このシアターの屋根は、世界最大のメタリックカーボンナノファイバー製屋根であり、同時に、自立型ガラス建築としても世界最大級の規模を誇ります。また、ガラス製のエレベーターは、3つのヘリカルガイドレールに沿って昇降し、目的地に到着するまでに171度回転するという、世界初の技術が採用されています。ロビーの下部から上部までの約13メートルの高さを移動するこのエレベーターは、化学強化ガラスで作られており、自立型ガラスエレベーターとしては世界一の高さを誇ります。

受賞歴

2018年には、英国構造エンジニア協会から構造賞を受賞しました。これは、スティーブ・ジョブズ・シアターの優れた構造設計と技術力が国際的に認められた証です。

スティーブ・ジョブズ・シアターは、単なるイベントホールとしてだけでなく、技術とデザインが融合した象徴的な建築物として、多くの人々にインスピレーションを与え続けています。

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