StuffIt

StuffIt（スタッフイット）とは

StuffItは、主にClassic Mac OSおよびmacOS環境で利用されてきた、高圧縮率を誇るデータ圧縮およびアーカイブフォーマットです。特にClassic Mac OS時代には、ドラッグ&ドロップ操作だけで簡単に圧縮・伸長が可能だったため、多くのユーザーに支持されました。

主な特徴

• - 高い圧縮率: データサイズを大幅に削減し、ストレージ容量の節約やファイル転送時間の短縮に貢献します。
• - ドラッグ&ドロップ操作: Classic Mac OSでは、直感的な操作で圧縮と伸長ができました。
• - 自己解凍アーカイブ: 圧縮ファイルを展開するための専用ソフトウェアが不要な自己解凍アーカイブ（Self Extract Archive）を作成できます。
• - セキュリティ機能: アーカイブの暗号化や冗長性付与（StuffIt Xのみ）に対応しています。
• - 解凍確認機能: 伸長時に、ファイルの利用者にメッセージをメールで送信させる「解凍確認」機能を設定できます。

対応プラットフォーム

macOSを中心に利用されてきましたが、Windows、Linux、Solarisといった他のOSにも対応しています。しかし、他のプラットフォームではmacOSほど普及していません。

StuffIt X

最近では、より高い圧縮率を実現した「StuffIt X」というフォーマットが主流になっています。従来のStuffIt形式を拡張し、より効率的なデータ圧縮を可能にしています。

圧縮アルゴリズム

StuffItでは、以下の6種類の圧縮アルゴリズムから最適なものが選択可能です。

1. LZ77とハフマン符号
2. LZ77と算術符号
3. ブロックソート
4. PPM
5. ファイルフォーマットから適切なものを選択
6. ファイルを分割し、各部分に1～4のいずれかを適用

関連ソフトウェア

• - DropStuff: データの圧縮およびアーカイブを作成するソフトウェア。
• - StuffIt Deluxe: StuffItアーカイブの内容の閲覧、編集、伸長、データ追加など、統合的な機能を備えたソフトウェア。
• - StuffIt Expander: StuffIt形式で圧縮されたファイルを伸長するソフトウェア。以前は「DropUnStuff」も存在しましたが、統合されました。
• - StuffIt InstallerMaker: StuffIt形式で圧縮しながらインストーラを作成できるソフトウェア（英語版のみ）。
• - StuffIt Lite: かつて存在した、StuffIt Deluxeの一部の機能を削減したシェアウェア版。

ファイル形式

StuffItには、主に以下の4種類のファイル形式があります。

• - 1.5.1形式
• - 3.0形式 (3.x～4.x)
• - 5.0形式
• - StuffIt X形式

5.0形式が登場した当初は、3.x・4.x形式との互換性問題で混乱が見られましたが、5.5形式の登場で収束しました。

拡張子

• - .sit: 通常のStuffIt形式のファイル。
• - .sitx: StuffIt X形式のファイル。
• - .sea: 自己解凍形式のファイル（Windowsでは.exe）。

その他

StuffItは、macOSの初期から長年にわたり利用されてきたデータ圧縮形式であり、多くのユーザーに親しまれてきました。現在でも、特に古いアーカイブファイルを扱う際に必要となる場合があります。

外部リンク

• - Smith Micro Software (StuffIt関連ソフトウェアの開発元)
• - StuffIt for Macintosh, Windows, iOS
• - 株式会社アクトツー (StuffIt関連ソフトウェアの国内総代理店)

もう一度検索