Su-11 (航空機)

Su-11: ソ連の超音速迎撃戦闘機

Su-11、ロシア語でスホーイ11（Су-11）は、冷戦時代においてソ連が開発した超音速迎撃戦闘機である。この機体は、NATOによって「フィッシュポットC」というコードネームが付けられ、防空の要として機能した。Su-11は1958年に登場し、そのデザインは先代のSu-9に基づいているが、さらに強力なレーダーと武装を備えていた。

開発の背景

Su-11に搭載されたレーダーは「オリョール」と呼ばれ、当時ソ連最大の出力を誇るものであった。このレーダーは、Yak-27K迎撃戦闘機向けに開発され、改良型のK-8M空対空ミサイルとの運用が可能だった。開発過程では、T-3-8Mという試作機が製作されたが、さらなる性能向上が求められた。研究は過去のT-47シリーズでの試験成果を基に行われ、1959年には新たな試作機が完成した。

T-47シリーズとSu-11の誕生

T-47シリーズでは、数多くの試験が実施されたが、予期せぬ事故も発生した。特に、1961年11月にはT-47-8が航空パレードに参加するなど、その成果が目立った。翌1962年にはSu-11が正式に設計された。当初はK-8Mミサイルを搭載し、迎撃能力の向上が図られたが、機体の設計には一部問題もあった。特に、長い機首は重心の不安定さを引き起こし、操作性に影響を与えた。

性能と導入

Su-11は最高速度2340 km/h、実用上限高度17000 mという優れた性能を持ち、前任機よりも高い戦闘能力を発揮していた。しかし、その一方で基本的な安全性に欠ける致命的な欠陥も露見し、量産機の信頼性には疑問が残った。2023年10月に開発を終えた時点で、生産されたのは100機を僅かに超える程度で、これはSu-9の生産数と比べても非常に少ない。

事故と信頼性問題

1962年10月31日、Su-11の初飛行時にエンジンが故障する重大な事故が発生し、操縦士は機体を市街に墜落させる事態に陥った。この事故はSu-11への信頼を大きく損ない、防空軍の司令官はこれ以降の配備に慎重な姿勢を示すこととなった。新たな迎撃機の開発も進められ、Yak-28Pの配備が期待された。

後の開発と影響

結局、Su-11は1965年まで生産が続けられたが、その数はごくわずかであった。その後、ソ連の戦闘機開発はこの機体を転機に安全性重視へと方向転換した。Su-11の性能は確かに素晴らしかったが、航空機としての安全性の重要性を再認識させる契機となったのだ。

スペック

• - 種別: 迎撃戦闘機
• - 初飛行: 1958年
• - 翼幅: 8.43 m
• - 全長: 17.4 m
• - 全高: 4.88 m
• - 翼面積: 26.2 m²
• - 空虚重量: 9100 kg
• - 通常離陸重量: 13600 kg
• - 最大離陸重量: 14,000 kg
• - 発動機: AL-7F-2 ターボジェット ×1
• - 最高速度: 1,980 km/h
• - 実用航続距離: 1,125 km
• - 最大上昇力: 8200 m/min
• - 乗員数: 1名
• - 武装: R-8M×2、R-60×2

Su-11は、性能の高さとともにその歴史的な意義を持つ機体であった。

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