Su-15 (航空機)

Su-15 (スホーイ15)

Su-15はソビエト連邦防空軍で使用された双発超音速迎撃戦闘機で、北大西洋条約機構（NATO）によって「フラゴン」と命名されました。本機は1960年代に開発され、Su-9やSu-11の後継機と位置付けられています。特に1983年の大韓航空007便撃墜事件で知られています。

概要

この機体は大量の空対空レーダーを搭載しており、迎撃任務を担うために設計されました。しかし、Su-15自身は防空管制センターからの指示を基に運用され、いわば空飛ぶミサイル発射機であることが特徴です。後期型のSu-15TMでは、自動制御のオートパイロットシステムが導入され、より高い操作性を実現しています。

冷戦が終わると、多くのSu-15は定期的な軍縮の影響を受け、ロシア国内でも1993年までに全機が退役しました。

開発・運用

1960年代初頭、ソ連は高度な防空戦闘機を求めていましたが、既存機種であるSu-9やSu-11はエンジンの性能不足や構造的制約から悩まされていました。このため、スホーイ設計局は新型機Su-15の開発を開始しました。

初期プロトタイプのT58-Dは、Su-11の一部構造を活用しつつ、より信頼性の高いエンジンを搭載しました。しかし、初飛行時にはいくつかの性能不足が指摘され、そこから改良が加えられました。1966年には本格的な量産が始まり、1969年には大規模な部隊運用が開始されました。

各型および派生型

Su-15は多くのバリエーションが存在します。初期の量産型Su-15はNATOコードネーム「フラゴンA」として知られ、後期型は「フラゴンD」に改称されました。これに続いて、レーダー性能を向上させたSu-15Tや、さらに汎用性を高めたSu-15TMが登場しました。特にSu-15TMは、大韓航空機撃墜事件においてその実力を発揮しました。

性能・主要諸元

• - 乗員: 1名
• - 全長: 22.03 m
• - 全幅: 9.43 m
• - 全高: 4.84 m
• - 翼面積: 36.60 m²
• - エンジン: R-13-300ジェットエンジン×2
• - 最大速度: 2,230 km/h
• - 航続距離: 1,780 km
• - 兵装: 空対空ミサイル、23mm連装機関砲

運用国

Su-15はソビエト連邦の他、ロシア、ベラルーシ、ウクライナで運用され、ジョージア空軍にも存在していました。他の空軍へは輸出されることはなく、その戦闘能力は主に自国の防空任務に特化していました。

まとめ

Su-15は、その技術的な革新と冷戦時代の軍事運用の一環として重要な役割を果たしました。現在でも軍事史の中で、特に防空機としての位置付けを持ち続けています。

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