Su-30 (航空機)

Su-30（スホーイ30）

Su-30はロシアのスホーイ社が設計した複座の多用途戦闘機であり、NATOコードネームはフランカーC（Flanker-C）です。また、インドをはじめとする国々ではライセンス生産も行われています。この機体は、Su-27UBを基に進化したものであり、その設計は多目的の航空作戦に特化したものであることが特徴です。

概要

Su-30の開発は1986年にソビエト連邦の防空軍向けに始まり、1988年には試作機であるSu-27PUが初飛行しました。量産に向けて名称がSu-30に変更され、その後も改良が続けられました。基本的な機体形状はSu-27UBに類似していますが、前部キャノピーにはIRST（赤外線捜索追尾装置）が右側にオフセットされる形で搭載され、機首の左側には給油用のプローブが追加されました。さらに、この機体には改良型のN001Vメーチレーダーが装備され、指揮官機としても利用可能なデータリンクシステムTKS-2により、他のSu-27機を指揮・管理することもできます。

初期型のSu-30は長距離迎撃機として設計されたが、Su-30M型以降は多様な任務を請け負えるマルチロール機となりました。これにより、対地攻撃用の兵装システムや、テレビ指令誘導システム、対レーダーミサイル誘導システムが追加されました。特にSu-30MKIと呼ばれるインド向けの派生型は、イスラエル製の電子戦システムやフランス製のアビオニクスを搭載するなど、地域のニーズに対応した設計が施されています。

型式と発展

Su-30には様々な型式が存在しており、具体的には以下のようなものがあります:

• - 初期型: Su-30やSu-30KKなど。
• - 発展型: Su-30M、Su-30MKI、Su-30MKMなど。これらは、異なる国のニーズに応じて設計変更されています。

　中でもSu-30MKIはインド向けに特に多くのカスタマイズが加えられており、カナード翼と推力偏向ノズルが特徴です。

• - 運用国: 現在、Su-30はロシアをはじめ、インド、インドネシア、アルジェリア、中国及び多くの国で運用されています。各国での運用は異なり、それぞれの地域や国の軍績に基づいたカスタマイズが施されています。

主な性能

Su-30の主な性能は次の通りです:

• - 乗員: 2名
• - 最大速度: M2.3
• - 航続距離: 3,000 km
• - 実用上昇限度: 17,300m
• - 武装: GSh-30-1 30mm機関砲に加え、最大8,000kgの兵器を搭載可能です。

結論

Su-30は、その多機能性と高度な技術を持つ戦闘機として、世界各国の空軍に重宝されています。特に国際協力の文脈においては、ライセンス生産や国際共同開発が進められ、その存在感は今後も続いていくことでしょう。

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