Su-9 (航空機・初代)

Su-9（スホーイ9）

Su-9（スホーイ9）は、ソ連のスホーイ設計局によって開発された戦闘爆撃機です。この機体は、第二次世界大戦後の航空機技術の進展の中で注目されましたが、量産には至らないという運命を辿りました。Su-9は、同時期に開発されたYak-17やMiG-15などの優れた機体と競合し、その影響もあってあまり日の目を見ませんでした。現在では、「初めのSu-9」として知られ、混同を避けるために特別に区別されています。

開発の経緯

Su-9の開発は、ポリカールポフ設計局のニコライ・ポリカールポフとエルモラーエフ設計局のウラジーミル・エルモラーエフによって始まりました。しかし、1944年に二人が相次いで亡くなり、そのプロジェクトはスホーイ設計局に移されました。これにより、スホーイはジェット機の設計に乗り出すことになります。この機体は、ナチスドイツのMe 262の設計に影響を受けながらも、独自の開発が行われました。

Su-9は1946年に初飛行を果たし、1947年にはトゥーシノ飛行場で大規模な航空パレードに参加しました。この際、いくつかの飛行試験が実施され、最終的には136回の飛行を成功させました。最高時速885キロ、高度8,000メートルに達する能力を持ち、片方のエンジンが故障した場合でも良好な操縦性を維持できた点が特徴です。

量産されなかった理由

Su-9はその性能から量産の推奨があったものの、開発がMiG-9やYak-15に比べて遅れたため、ソ連政府から量産化を拒否されました。この時、アメリカはSu-9の存在を把握し、コードネーム「Type 8」を付与しました。この識別番号制度は、正式名称が判明していない敵機を特定するために考案されたものでしたが、後にNATOコードネームに取って代わられました。

発展型とその影響

Su-9には、さらに改良されたSu-11やSu-13といった発展型も存在しました。Su-11はTP-1エンジンを搭載し、Su-13はより強力なRD-500エンジンに変更されましたが、Me 262に似すぎていることから当時のスターリンから評価されず、量産化は認められませんでした。また、スホーイ設計局はSu-15やSu-17の開発で問題が続き、中には計画の失敗もあったため、最終的には閉鎖に追い込まれるという悲劇的な運命を辿ります。

スペックと武装

Su-9は、次のようなスペックを誇りました。

• - 全幅：11.20 m
• - 全長：10.55 m
• - 翼面積：20.20 m²
• - 空虚重量：4,060 kg
• - 通常離陸重量：5,890 kg
• - 発動機：RD-10ターボジェットエンジン×2
• - 最高速度：885 km/h
• - 実用航続距離：1,200 km
• - 最大上昇力：5,000 m/min
• - 乗員：1名

武装には、37mm機関砲N-37や23mm機関砲NS-23などが含まれていました。さらに、250kgまたは500kgの爆弾を搭載することも可能でしたが、その場合は37mm機関砲を取り外す必要がありました。

結論

Su-9は、ソビエト連邦の航空機開発史において重要な位置を占める機体でしたが、量産には至らず、結果的にその役割を終えることとなりました。その背景には、技術的な遅れや政治的な要因が絡み合っています。しかし、この機体が持つ歴史的意義は、今もなお多くの航空機愛好家や研究者たちによって評価されています。

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