Supercell (アルバム)

supercell (スーパーセル) 1stアルバム



『supercell』は、supercellが2009年3月4日に発表した初のオリジナルアルバムです。この作品は、彼らのメジャーデビューを飾る重要な一作であり、全楽曲のボーカルに音声合成ソフト「初音ミク」を使用しているという点が大きな特徴です。元々は2008年の「コミックマーケット74」で自主制作盤としてリリースされたものがベースとなっており、メジャー盤では収録曲を厳選し、新たに「メルト」と「初めての恋が終わる時」を追加収録しています。

概要



このアルバムは、単なる再販ではなく、全曲がリミックス、リマスターされており、自主制作盤と比較して楽曲の音質が格段に向上しています。初回盤と通常盤のいずれもCDとDVDの2枚組で構成されており、初回盤には「supercell works」と題した豪華な画集が付属します。さらに、店舗別の購入特典として、アニメイト、コミックとらのあな、ゲーマーズではそれぞれ異なるイラストのポスターが、Sony Music Shopでは特製マウスパッドが提供されました。

売上



リリース直後から大きな反響を呼び、2009年3月3日付のオリコンアルバムデイリーチャートで初登場2位、同年3月16日付のアルバムウイークリーチャートでは初動5.6万枚を売り上げ、4位にランクインしました。この記録は、当時初音ミク関連CDの最高順位を塗り替えるものでした。その後も、3週目、4週目とチャートインを続け、累計売上は7万枚を突破しました。特筆すべきは、同時期に複数の初音ミク関連作品がトップ100にランクインしており、その人気を証明しました。また、インターネットでの予約では、男女比が55対45と、女性の支持が非常に高いことも注目されました。

収録曲



メジャー盤の収録曲では、「またね」を除くすべての楽曲にイラストが描かれており、歌詞カードの背景として使用されています。

Disc.01 (CD)

1. 恋は戦争
2. ハートブレイカー
3. メルト
4. ブラック★ロックシューター
5. くるくるまーくのすごいやつ
6. ライン
7. ワールドイズマイン
8. 初めての恋が終わる時
9. 嘘つきのパレード
10. その一秒 スローモーション
11. ひねくれ者
12. またね

Disc.02 (DVD)

1. 恋は戦争
2. 恋は戦争（字幕入り）
3. ワールドイズマイン
4. ワールドイズマイン（字幕入り）
5. ブラック★ロックシューター
6. ブラック★ロックシューター（字幕入り）
7. 恋は戦争 ラフスケッチスライドショウ
8. メルト
9. メルト（字幕入り）

自主制作盤には「メルト」と「初めての恋が終わる時」は含まれていませんでした。自主制作盤の収録曲は以下の通りです。

1. 恋は戦争
2. ハートブレイカー
3. ブラック★ロックシューター
4. くるくるまーくのすごいやつ
5. ライン
6. ワールドイズマイン
7. 嘘つきのパレード
8. その一秒 スローモーション
9. ひねくれ者
10. またね

「メルト」、「ブラック★ロックシューター」、「ワールドイズマイン」は、それぞれ複数のコンピレーションアルバムにも収録されています。

楽曲解説



本アルバムに収録されている楽曲のうち、5曲は動画投稿サイト「ニコニコ動画」で発表されたもので、残りの楽曲は2008年の「コミックマーケット74」でリリースされた自主制作盤が初出です。アルバムに収録するにあたり、ドラム以外はほぼ生演奏でレコーディングし直され、ニコニコ動画で公開されたものや自主制作盤とは大きく音質が異なっています。自主制作盤の楽曲は基本的に宅録（自宅録音）で制作されています。

恋は戦争

2008年2月22日にニコニコ動画で発表された、supercell結成後初の投稿曲です。ryoが「諦められないときはぶつかって砕けるのもいい」という思いで制作し、恋の手段を選ばないという激しい感情を表現しています。三輪士郎が担当したイラストは、従来のミクのイメージとは異なる、かっこいい、黒い印象を与えています。

ハートブレイカー

redjuiceがイラストを担当。どこか懐かしいバンドサウンドを意識して制作された楽曲です。

メルト

2007年12月7日にニコニコ動画で発表された、supercell結成前に発表された楽曲です。119のイラストをryoが無断で使用したことがsupercell結成のきっかけとなりました。揺れ動く少女の感情を瑞々しく描いた作品で、ニコニコ動画での再生数は1000万回を突破しています。この楽曲は、数多くの「歌ってみた」「演奏してみた」動画を生み出し、インターネット上で大きなムーブメントを巻き起こしました。

ブラック★ロックシューター

2008年6月13日にニコニコ動画で発表された楽曲です。hukeがデザインしたオリジナルキャラクター「ブラック★ロックシューター」をテーマにした曲で、このキャラクターは後にアニメ化もされています。

くるくるまーくのすごいやつ

他の楽曲とは異なり、打ち込みサウンドを意識して制作された楽曲です。イラストはスガが担当しています。

ライン

ryoが特におすすめする楽曲で、ティッシュ姫がベース、okiyaがギターを担当しています。マクーがイラストを担当しています。

ワールドイズマイン

2008年5月31日にニコニコ動画で発表された楽曲です。「好きな人の前ではお姫様のように振舞っても良い」というテーマで制作され、redjuiceによる「かわいい」ミクのイラストが印象的です。この楽曲は、トヨタ・カローラのCMにも使用されました。

初めての恋が終わる時

2008年12月12日にニコニコ動画で発表された、アルバム収録曲の中で最も新しい楽曲です。「別れ」をテーマにしており、三輪士郎がイラストを担当しています。

嘘つきのパレード

ガレージバンドのような勢いを意識して制作された楽曲で、三輪士郎がイラストを担当しています。

その一秒 スローモーション

「一目惚れ」をテーマにした楽曲で、ryoはこの曲を「最も自分らしいポップス」と評しています。ティッシュ姫がベース、okiyaがギターを担当し、三輪士郎がイラスト、マクーが背景を担当しています。

ひねくれ者

オールディーズの質感を狙った楽曲で、hukeがイラストを担当しています。

またね

アルバムの中で唯一イラストが存在しない、短い楽曲です。

supercell works



初回限定盤に付属するB5判サイズのフルカラーイラスト集で、アルバムの楽曲解説やイラスト、メンバーのインタビューなどを収録しています。

クレジット



アルバムの制作には、ryoをはじめ、様々なクリエイターが参加しています。ギターはokiya、ベースはこくまろ“姫”みるくが担当し、イラストは三輪士郎、redjuice、huke、スガ、マクー、119らが手がけています。


外部リンク



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