Symfoware Server

Symfoware Server (シンフォウェア サーバー) について

Symfoware Serverは、富士通が開発・販売するリレーショナルデータベース管理システム（RDBMS）です。主にエンタープライズ向けのシステムで利用されており、Solaris、Linux（Red Hat Enterprise Linux）、Windowsといった多様なプラットフォーム上で動作します。元々はメインフレーム向けのRDBII（アールデービーツー）がオープン系システムに対応するにあたり、Symfowareへと名称が変更されました。初期バージョンは1995年10月にリリースされています。

特徴

Symfoware Serverは、以下の様な特徴があります。

高い親和性と移植性: ホスト環境（FACOM Mシリーズ、FUJITSU GS、PRIMEFORCEシリーズ）上のRDB（RDBII/SymfowareGS）との間で、文字コードなどの親和性、データ移行の容易さといった点で高い互換性を持っています。
表パーティショニング: RDBMS製品として初めて実装された表パーティショニング機能（DSO: Data Structure Organization、DSI: Data Structure Instance）が、大きな特徴の一つです。これは、実表やインデックスをキーに基づいて複数の格納単位に分割する機能で、物理的な分割により、ディスクI/O負荷の軽減、大規模データ検索の高速化、排他処理の局所化、障害時のリスク軽減といった効果が期待できます。分割を行わない場合でも、テーブル作成後にDSO/DSIを定義する必要があります。
柔軟なバッファ管理: データファイルのバッファをDSI単位で個別に設定したり、DSIのデータをメモリに常駐させる機能も備えています。
トランザクション分離レベル: デフォルトのトランザクション分離レベルは、一般的なRead Committedではなく、Repeatable Readです。SELECT文の実行でもロックを取得するため、不用意なSELECT操作で広範囲のロックが発生する可能性があります。このため、環境設定やアプリケーション設計で、ロックの強弱設定やレコード単位のロック導入などのチューニングが重要になります。
ACID特性: ACID特性は、表やインデックスへの排他制御、テンポラリログを利用して実現しています。RDBMSエンジン本体は1プロセス（rdb2base）で動作し、セッションごとにプロセスを起動するのではなく、RDBMSエンジン内部でスレッドを生成します。RDBMSの管理作業は、RDBMSエンジンが動作しているサーバー上でコマンド（rdbプリフィックス）を実行するか、GUI操作によって行います。
高可用性: HAクラスタやパラレル構成によるHPCクラスタ構成も可能です。JDBCドライバ、Windows用のODBCドライバ、.NET Framework連携機能も提供されています。

製品ラインナップ

Symfoware Serverは、大規模高信頼性システム向けの「Enterprise Extended Edition」から、小規模部門サーバー向けの「Standard Edition」、「Lite Edition」まで、企業の規模や用途に合わせた製品が提供されています。

Symfoware Server Enterprise Extended Edition: 大規模基幹システム向け、[Linux],Solaris対応
Symfoware Server Enterprise Edition: 中大規模システム向け、Linux,Solaris,Windows対応
Symfoware Server Standard Edition: 中規模システム向け、Linux,Solaris,Windows対応
Symfoware Server Lite Edition: 小規模システム向け、Linux,Solaris,Windows対応

対応OSとしては、Windows,Solaris,Linuxが挙げられます。AIXやHP-UX版は提供されていません。

歴史

V3.x、V4時代には、処理速度の低下、バックアップからの復旧不能、計算誤りなどの深刻な不具合が報告されたこともありました。

関連項目

PRIMERGY 6000 (Symfoware6000)

外部リンク

Symfoware Server公式サイト

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