Sympa (King Gnuのアルバム)

King Gnu|King_Gnuの『Sympa』について

『Sympa』は、日本のロックバンド・King Gnu|King_Gnuのセカンドアルバムで、2019年1月16日にAriola Japanからリリースされました。このアルバムは彼らのメジャーデビューアルバムとなり、前作『Tokyo Rendez-Vous』から約1年3か月ぶりの新作です。初回生産限定盤と通常盤の2つの形態で発売されており、詳細には初回生産限定盤には紙ジャケット、通常盤にはプラスチックジャケットが使用されています。

アルバムには、配信限定シングル「Flash!!!」の他、1stシングル「Prayer X」や「Sorrows」、「Slumberland」など、合計13曲が収められています。特に「Prayer X」は、人気テレビアニメ『BANANA FISH』のエンディングテーマとして使用され、広く耳にする機会が増えました。

さらに、初回生産限定盤に付属する特典DVDには、東京・WWWで行われた1回目のワンマンライブの映像や、ミュージックビデオが収録されており、ファンにはたまらない内容となっています。アルバムタイトル『Sympa』は、「シンパシー」を基にしたもので、共感を呼び起こす意味を持ちます。この作品では、曲作りにあたり、前作以上に聴きやすさとポップな要素を意識し、ロックとブラックミュージックを融合させることを目指しました。

アルバムリリース後には、「Sorrows」がアサヒビールのCMソングに起用されたほか、「Hitman」がANAのグローバルCMソング、「Flash!!!」がNTTドコモのCMソングとしても親しまれました。これらの起用によって、楽曲の幅広い魅力が世間に認識されることとなります。

楽曲解説

アルバム内には、4つのインタールードとして位置づけられた曲「Sympa I」「Sympa II」「Sympa III」「Sympa IV」があります。これらは、アルバム全体のコンセプトを意識して作られており、救助を求める声や通信音が使われることで、ストーリー性を持った流れが感じられます。

「Slumberland」は、Srv.Vinci時代の「PPL」をアレンジしつつ、時代の変化を感じさせる重要なリード曲となっています。常田大希が主にボーカルを担当し、当初は何かを批判する内容ではなく、社会の喧騒に対する自己の位置を見つめ直す歌詞が印象的です。また、WONKの長塚健斗がコーラスで参加しており、完成度を高めています。

1st配信限定シングル「Flash!!!」は、シングル版とは異なりイントロが短くなっており、アルバムの流れを引き継ぐアグレッシブな音楽です。続く「Sorrows」では、グランジ風のギターサウンドと内面的な歌詞が印象的で、常田の過去の楽曲から進化した新しいスタイルを持っています。

「Hitman」は、アレンジを加えることで新たに生まれ変わった楽曲で、以前のライブでの経験が反映されています。「Don't Stop the Clocks」では、井口理の声を引き立てるためにアコースティックなセッティングが選ばれ、心温まる新曲に仕上がっています。

その後に続く「It's a small world」では、ロマンチックな歌詞が井口の声にマッチし、ウッドベースで録音されたシンプルな構成が特徴的です。「Prayer X」は、アニメとのタイアップに寄り添いつつも、King Gnu|King_Gnu自身のスタイルがしっかりと表現された楽曲です。

「Bedtown」は、以前は「Catch!!!」と呼ばれていた曲で、アルバムに収めるにあたり大幅にテンポが変更され、ファンキーなリズムになっています。「The hole」は、アルバムの締めに相応しい壮大なバラードに仕上がっており、J-POPの名曲を参考にした内容です。

演奏メンバー

このアルバムでの演奏を担当したメンバーは、常田大希がギター、チェロ、プログラミング、ボーカルで、井口理がボーカルを務め、新井和輝がベース、勢喜遊がドラムを担当しています。また、WONKから江崎文武と長塚健斗が参加し、各々の楽器やコーラスを提供して総合的なサウンドを作り上げました。

『Sympa』は、King Gnu|King_Gnuの音楽的進化の証であり、聴く者に強いインパクトを与えるアルバムとなっています。

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