TAP-i

TAP-i（タップ・アイ）

TAP-iは、日本の主要メディアである毎日新聞グループホールディングス傘下の毎日新聞社とスポーツニッポン新聞社が共同で運営していた電子新聞サービスです。2012年5月に創刊され、約3年半の期間、読者に新たなニュース体験を提供しましたが、2015年9月をもって休刊となりました。

サービス概要

「ニュースを、さわろう。」というコンセプトを掲げ、当時の普及が進んでいたiPadやスマートフォンといったタブレット端末向けに最適化されたサービスでした。従来の紙媒体やウェブサイトとは異なり、画面にタッチして操作する直感的なインターフェースが特徴です。名称の「タップ・アイ」も、このタッチパネル操作（タップ）に由来しています。

配信されるコンテンツは、文章記事に加え、豊富な写真や一部動画も含まれており、視覚的にも訴えかける内容となっていました。ユーザーは、最新のニュースフィードを指先で画面をなぞる（スワイプする）操作により、まるでスライドショーを見るかのようにスムーズに読み進めることができました。また、主要な記事の全文も、スワイプ操作によって手軽に閲覧できるよう設計されていました。

サービスの利便性として、記事は一度ダウンロードすればオフラインでの閲覧が可能でした。動画によるニュース配信も随時行われ、新聞休刊日であってもニュースが届けられる体制が整えられていました。

対応端末

TAP-iを利用するためには、以下の主要なモバイルデバイスが必要でした。

iPad
iPhone
iPod touch
Android搭載スマートフォン・タブレット

これらの端末には、それぞれ専用のアプリケーションをダウンロードしてインストールする必要がありました。

購読料金

TAP-iの購読料金は、提供時期によっていくつかのプランと価格設定がありました。表示価格は全て消費税込みです。

2014年9月まで

月額購読プランは、毎日ID（会員登録・年会費無料）またはApp Storeのアカウントを通じて購読できました。App Store利用者は、App Store経由での購読も可能でした。

TAP-iオンリーコース:
毎日新聞またはスポニチの紙媒体を購読しているかどうかにかかわらず利用可能でした。
月額料金は900円でした。
TAP-iプラスコース:
毎日新聞またはスポニチの紙媒体購読者のみが対象でした。
月額料金は500円でした。

1部売りの料金は以下の通りでした。

Apple端末（iPad, iPhone, iPod touch）: 1部 85円
Android端末: 1部 99円

2014年10月以降

この時期から、紙媒体の紙面ビューアー機能が追加され、料金体系がシンプルに変更されました。

月額料金は500円となりました。
毎日新聞またはスポニチの紙媒体購読の有無に関わらず、一律の料金で利用可能となりました。

NOTTV版 TAP-i

TAP-iは、スマートフォン向けモバイル放送サービス「NOTTV」とも提携し、「毎日新聞 TAP-i NOTTV版」として提供されていました。これは2012年11月26日に創刊され、NOTTVにとっては初の電子新聞サービスとなりました。

NOTTV版の特徴は、蓄積型放送である「シフトタイム視聴」を活用していた点です。これにより、通信量が比較的少ない早朝の時間帯にニュースコンテンツが配信され、ユーザーはその後、自身の都合の良い時間に通信量を気にせずに記事を読むことができました。

NOTTV版の購読に追加料金は発生せず、NOTTVの月額基本料である420円（税込）のみで利用可能でした。しかし、このNOTTV版は本家サービスに先行して、2014年3月に休刊となりました。

終焉

タッチ操作による新しいニュース体験を提供したTAP-iでしたが、サービスの継続は困難となり、2015年9月をもって休刊しました。これにより、毎日新聞グループが提供するタブレット最適化型電子新聞としてのTAP-iの歴史に幕が下ろされました。

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