TAROMAN 岡本太郎式特撮活劇

TAROMAN 岡本太郎式特撮活劇

『TAROMAN 岡本太郎式特撮活劇』は、2022年にNHK Eテレで放送された異色の特撮テレビドラマです。一見すると1970年代に制作された特撮作品の「現存映像」という体裁を取りながら、岡本太郎の作品や思想をモチーフにした前衛的な内容が特徴です。

概要

本作品は、映像作家・藤井亮氏が監督を務め、岡本太郎の芸術を独自の解釈で映像化しています。番組は特撮パートと、サカナクションの山口一郎氏が「タローマンマニア」として当時を語るインタビューパートで構成されています。インタビューもまたフィクションであり、当時のグッズや子役といった要素も全て架空の設定です。

元々は『展覧会 岡本太郎』のプロモーション企画として制作されました。岡本太郎のドキュメンタリーやドラマには既に名作が存在するため、そのスケールと衝撃を表現するには特撮映像が最適であるという判断に至りました。制作にあたっては、円谷プロダクションに協力を仰ぎ、1970年代の撮影技法を再現したり、映像をビデオデッキに通してエイジング加工を施すなど、細部にまでこだわりが見られます。

登場キャラクター

タローマン

シュールレアリスム星出身の巨人。岡本太郎の思想を体現し、シュールで破天荒な行動で奇獣と戦います。「真剣に遊ぶ」「自己模倣を憎む」「他人の評価を気にしない」といった思想を反映しており、善悪の概念に縛られない予測不能な行動が魅力です。頭部のタローマスクは「若い太陽の塔」、身体のタローラインは「太陽の塔」をモチーフにしています。

タローマンの能力

タローマンは「でたらめ拳法」の使い手であり、108の技を持ちます。

芸術は爆発だ！: 必殺技。芸術エネルギーを解放し、相手の存在を昇華させます。
コントルポアン: 手から高出力の波動を繰り出します。
緊縛光線: ビルにくくりつけるために使用。
明日の神話、千手、雷人: 3つの技を組み合わせ、「太郎」の文字の形にして攻撃。

その他にも、「切り裂き観覧車」「切断チョップ」「タローマンキック」など、ユニークな技を多数持ちます。

タローマンでたらめ8兄弟

タローマンを含む8人の巨人。血縁関係はありません。タローマン2号、タローマン・死、タローマン・灰、タローマン・アンダーグラウンド、タローマン・サッド、タローマン・タイム、ブラックタローマンが存在します。また、彼らの父を名乗るタローマン・フェイスも存在します。

地球防衛軍(CBG)

地球を奇獣から守る特殊防衛組織。東京に本部があり、フランスとメキシコに支部があります。劇中には対奇獣部隊（TKB）の東京部門が登場します。

主要メンバー

隊長: 対奇獣部隊東京部門の隊長。森野忠晋が演じる（という設定）。
新人隊員: 無口で真面目そうな若い隊員。パッションバッファローの操縦士という設定でしたが、出番が激減。
風来坊: 無国籍風の男。鞭を武器に戦う。未来から来たサイボーグという設定。
マミ隊員: 対奇獣部隊東京部門の紅一点。小笠原皆香が演じる（という設定）。
中年隊員: だらけがちな中年の男性隊員。元は一般人だったが、地球防衛軍に入隊。
少年隊員: IQ200の天才少年。超能力を持つ。北村直大が演じる（という設定）。

奇獣

1970年代初頭に現れた怪獣的な存在。岡本太郎の作品をモチーフにした外観が特徴です。

飛行奇獣「森の掟」: 空を飛び、街を破壊する。
無籍奇獣「無籍動物」: 風来坊と行動を共にする。
巨顔奇獣「にらめっこ」: 睨まれた人は動物になる。
侵略奇獣「河童星人」: 地球侵略を企む。河童熱波や河童光線を使う。
べらぼう奇獣「太陽の塔」: 他の奇獣とは桁違いのスケールを持つ。

その他にも、「未来を見た」「変身」「駄々っ子」など、個性的な奇獣が多数登場します。

反響

斬新な設定と映像表現が話題を呼び、SNSを中心に大きな反響を呼びました。愛好家による二次創作も盛んに行われ、再放送やイベント開催も決定しました。

関連情報

主題歌: 「爆発だッ！タローマン」（タローマン合唱団）
関連番組: 『タローマンヒストリア』
関連商品: かるた、Blu-ray/DVD、書籍など

『TAROMAN 岡本太郎式特撮活劇』は、岡本太郎の思想をユニークな形で表現した、他に類を見ない特撮作品です。その斬新な世界観に、ぜひ触れてみてください。

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