TB-1 (航空機・ソビエト連邦)

ツポレフ TB-1（ANT-4）

ツポレフ TB-1、開発名ANT-4は、ソビエト連邦の重爆撃機として長きにわたり運用されてきた航空機です。この機体は、全金属製で設計された最初の大型航空機であり、単葉構造が特徴です。

設計と開発

1924年、ソ連空軍は中央航空流体力学研究所（TsAGI）に重爆撃機の設計を依頼しました。この任務は、アンドレイ・ツポレフの指揮するチームに託されることとなります。彼のチームは、ジャルミニウムの波板外板を使用した全金属製の航空機を設計し、2基のネイピア・ライオンエンジンを搭載した双発機構を採用しました。

1925年に初めて試作機がモスクワのツポレフの工場で組み立てられ、この際には建物を取り壊す必要が生じました。再組立はホディンカ飛行場で行われ、同年11月26日に初飛行に成功。試験は順調に進みTB-1としての生産が決定されながらも、アルミニウム不足とエンジンの調達に時間がかかり、生産は遅れました。最終的には1929年から生産が開始され、1932年までに216機が完成しました。

TB-1には車輪を備えた陸上型とフロートを備えた水上機型の両方が存在し、66機の水上機型が生産されました。

運用

最初に生産されたTB-1は、民間機として仕上げられ、“Страна Советов”という名称でニューヨークへの宣伝飛行を行いました。この飛行機はシベリア経由で21,242kmを飛行し、ニューヨークに到着しました。

TB-1はソ連空軍の標準的な爆撃機としても機能し、水上機型は雷撃機（TB-1P）や航空測量にも利用されました。実験的な用途にも使われ、2機のI-4戦闘機を搭載するズヴェノー・プロジェクトの母機としても活躍しました。

やがて、TB-1はより大きな4発重爆撃機TB-3に置き換えられ、多くの機体が民間機輸送機G-1として改造されました。

1934年には、アビアアークティカのTB-1がチェリュースキン号の乗員救助に貢献し、操縦士のリャピヂェーフスキーがソ連英雄の称号を獲得しました。この機体は、アビアアークティカで1948年まで使用されました。

派生型

• - TB-1: 双発重爆撃機。
• - ANT-4bis: 第3の試作機。
• - TB-1P: 水上雷撃機型。
• - G-1: 輸送機型。

現在、Ulyanovsk Aircraft Museumには、アビアアークティカで使用されていたG-1型ANT-4が保存されています。

運用者

• - ソビエト連邦
• - アエロフロート
• - ソ連空軍
• - ソ連海軍

要目 (TB-1)

• - 乗員: 6名
• - 全長: 18.00 m
• - 全高: 5.1 m
• - 翼幅: 28.7 m
• - 翼面積: 120.0 m²
• - 空虚重量: 4,620 kg
• - 標準運用時重量: 6,810 kg

性能

• - 最大速度: 178 km/h
• - 巡航速度: 156 km/h
• - 航続距離: 1,000 km
• - 実用上昇限度: 4,830 m
• - 上昇率: 3.03 m/s

武装

• - 固定武装: DA機関銃 6丁
• - 爆弾搭載能力: 1,000 kg

参考文献

• - The Osprey Encyclopedia of Russian Aircraft 1875–1995 を参考文献としています。

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