TBS放送劇団

TBS放送劇団の歴史

TBS放送劇団（TBSほうそうげきだん）は、1951年12月24日に設立され、東京放送専属の劇団として活動を開始しました。設立当初はラジオ東京編成局が運営し、そのため劇団員は契約者として特別な待遇を受けていました。最初の劇団員募集は設立前の11月に行われ、15人のメンバーが選ばれました。男女比は男性6人と女性9人でした。

劇団員の基本給は最高1万5000円、最低8500円程度とされ、出演責任時間は150時間に設定されていました。時間を超過した場合には1時間ごとに報酬が追加される仕組みです。中には深夜録音による報酬UPを目指す劇団員もいる一方で、演技の質の低下が問題視されることもありました。また、風紀の問題が指摘され、団員のプライベートな関係や影響も懸念されました。

その後、出演責任時間制度は廃止され、劇団員は三班に分かれて演技を学ぶ公開試演会を行うことになりました。風紀に関しては問題を起こした者は退団または職務停止となり、秩序が回復されました。1954年7月には、ラジオ東京ホールでの公演を経て、さらに成長を遂げることとなります。

1955年にはラジオ東京テレビの開局に伴い、テレビ専門の劇団員募集が行われ、4000人の応募から20人が選ばれました。彼らは「花の4期生」と称され、朝9時から午後5時までが基本の勤務時間でしたが、撮影が長引いた場合は宿泊が要求されることもありました。

1957年3月になると、劇団名は東京ラジオ劇団、東京テレビ劇団と改称され、他局の番組への出演も可能となりました。1958年にはさらに6期生の募集が実施されましたが、これが最後の募集となり以降は新規団員が加わることはありませんでした。

その後、1959年には契約体制が改編され、ラジオ専属、テレビはフリーの体制へと変更されます。この決定により、劇団員はテレビの仕事を得ることが徐々に難しくなり、中には独自にグループを設立して活動を続ける者もいました。「芸能」や「新婦人」といった雑誌では、この時期の劇団の状況について批判的な意見が多く寄せられ、局側の対応が問題視されます。

1961年、新東宝の倒産によってさらに多くの俳優がテレビ業界に移行する中、放送劇団員は吹き替えの仕事が中心となっていきました。1966年にはTBSラジオ部門の人員縮小が進み、とうとう1969年10月に劇団員との契約が解除されることとなりました。この年、劇団は最盛期の60人から急激に減少し、最終的には11人にまで落ち込みます。

最後は劇団総会での解散が宣告され、複雑な労働条件の中で交渉が続きましたが、成功には至らず、劇団自体は解散する運びとなりました。最中、明石一という劇団員が契約の正当性を訴える訴訟を行い、その経過は1977年まで続きました。結局この劇団の歴史は労働環境や時代の潮流に大きく影響され、最終的な解散へと至ったのです。

主要な所属俳優

TBS放送劇団には多くの俳優が在籍し、男性・女性共に様々な才能が集まりました。中でも明石一、朝戸鉄也、大平透、白石奈緒美といった名が挙げられます。彼らは後にテレビ業界などで活躍する俳優たちの基盤を築く存在となりました。

このように、TBS放送劇団は日本のエンターテインメント史において重要な役割を果たしてきた一団体です。

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