THEATER (石井竜也のアルバム)

石井竜也『THEATER』：ミュージカル仕立ての物語が紡ぐ、珠玉の音楽体験

2002年9月19日にリリースされた石井竜也の5枚目のスタジオ・アルバム『THEATER』は、その名の通り、まるで舞台を観ているかのようなストーリー性が特徴的な作品です。石井自身が「一度ぐらいでいいからやってみたかった」と語るように、ミュージカル・テイストをふんだんに盛り込んだ意欲作となっています。

生音源へのこだわり

本作の大きな特徴は、すべての音源が参加ミュージシャンによる生演奏で構成されている点です。デジタルサウンドが主流となりつつあった当時において、生音源にこだわることで、楽曲に温かみと深みを与えています。

初回盤と通常盤

初回盤には特典として「ハンパチーフ」が付属し、ジャケットも通常盤とは異なるデザインとなっています。ファンにとってはコレクションアイテムとしての価値も高い一枚です。

収録曲について

アルバム収録曲は、石井竜也自身が作詞・作曲を手掛けています。編曲は、主に金子隆博が担当し、楽曲ごとに異なる表情を引き出しています。

OPEN THE DOOR

金子隆博作曲によるインストゥルメンタル。

MY DREAM

前田憲男編曲によるビッグバンドサウンドが特徴。一発録りで収録され、石井曰く「小屋鳴りというか、部屋鳴りというか、そういうのも録れている」とのこと。

DOROBOW

石井竜也と金子隆博の共作で、前田憲男が編曲。ジョーのストーリー曲の一つ。

コ・ウ・カ・イ

11thシングルとしてリリースされた楽曲。

静かなる生活

歌詞のほとんどが台詞で構成されている異色の楽曲。

逃亡者

ジョーのストーリー曲の一つ。イントロの英台詞は川平慈英によるもの。

やっぱり君を愛してる

金子隆博作曲、篠崎秀樹と金子隆博が編曲を担当。

激痛

SEXY DOLL

ジョーのストーリー曲の一つ。

オトメノキモチ

ありふれた話

ブラスアレンジは篠崎秀樹が担当。

DANCE

純愛

音源にノイズ処理が施され、戦前の歌謡曲を模したユニークな楽曲。コンサートでは歌謡界の大御所・東海林小太郎がこの曲を披露することでも知られています。

『THEATER』は、石井竜也の音楽的な実験精神と、エンターテイメントへの情熱が詰まった作品と言えるでしょう。ぜひ、じっくりと聴き込んで、その奥深い世界観を堪能してください。

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