TIKI BUN/シャバダバ ドゥ〜/見返り美人

モーニング娘。'14の57枚目のシングル「TIKI BUN/シャバダバ ドゥ〜/見返り美人」は、2014年10月15日にリリースされた、グループにとってメモリアルな作品となりました。このシングルは、道重さゆみさんの卒業シングルとして注目を集め、さらにトリプルA面という構成も話題を呼びました。

まず特筆すべきは、3曲全てが表題曲として扱われた点です。モーニング娘。のシングルでトリプルA面が採用されたのは、「笑顔の君は太陽さ/君の代わりは居やしない/What is LOVE?|笑顔の君は太陽さ_君の代わりは居やしない_What is LOVE?」以来2作ぶりでした。さらに、メンバーのソロ曲が表題曲に選ばれたこと、そしてつんく♂さんがプロデュースに関与していない楽曲が表題曲となったことも、このシングルを特別な存在にしています。

「シャバダバ ドゥ〜」は道重さゆみさんのソロ曲で、彼女のラジオ番組で初放送されました。この楽曲では、Aメロ部分の合いの手に譜久村聖さんと飯窪春菜さんが参加しています。一方、「見返り美人」はモーニング娘。にとって初のオリジナル演歌で、「踊る演歌」をコンセプトに制作されました。道重さゆみさん以外の9人のメンバーが歌唱しており、つんく♂さんは制作に関与していません。これは、道重さゆみさんを「和」の世界観で表現するために、日本の伝統音楽に精通した作家に制作を依頼したためです。

「TIKI BUN」は、2014年9月14日開催のモーニング娘。誕生日記念ライブ『18年目もいきまっしょい!』で初披露され、その後、アルバム『14章〜The message〜』にはイントロが追加されたアルバムバージョンが収録されました。「シャバダバ ドゥ〜」は『プッチベスト15』に、「見返り美人」は2019年発売のベストアルバム『ベスト!モーニング娘。20th Anniversary』にそれぞれ収録されています。

リリース形態は、初回生産限定盤A、B、C、D、通常盤A、Bの6形態で、初回生産限定盤にはDVDとイベント抽選シリアルナンバーカードが、通常盤にはトレーディングカードが封入されました。DVDには各楽曲のミュージックビデオやメイキング映像などが収録されています。

楽曲の制作陣も豪華です。「TIKI BUN」はつんく♂さんが作詞作曲を手掛け、大久保薫さんが編曲を担当しました。「シャバダバ ドゥ〜」はつんく♂さんの作詞作曲、田中直さんの編曲です。「見返り美人」は、作詞を石原信一さん、作曲を弦哲也さん、編曲を鈴木俊介さんが担当しました。

メンバー構成においては、2014年9月30日に加入した12期メンバー（尾形春水、野中美希、牧野真莉愛、羽賀朱音）は、このシングルには参加していません。6期から11期までのメンバーが参加し、それぞれの持ち味を生かしたパフォーマンスを見せています。

このシングルは、道重さゆみさんの卒業と、新たなモーニング娘。の始まりを象徴する、非常に重要な作品と言えるでしょう。3曲それぞれの異なる魅力と、多様な表現方法、そして卒業と新体制への期待感、それら全てが凝縮された、モーニング娘。の歴史に残る一枚です。

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