TMN CLASSIX

TMN CLASSIXの特徴と魅力

『TMN CLASSIX』（ティーエムエヌ・クラシックス）は1993年8月21日に発表された、TM NETWORK|TM_NETWORKの2枚目となるリミックスアルバムです。本作は「ウォーミングアップ?」と銘打たれ、同日に『TMN CLASSIX 1』と『TMN CLASSIX 2』が同時リリースされました。これらのアルバムは、TMNの楽曲を新たに生まれ変わらせる試みとして制作されました。

小室哲哉のこだわり

本作品の大きな特徴は、全トラックを小室哲哉自身がミックスしている点です。海外のプロデューサーによるリミックスとは異なり、原曲のマスタートラックに対してシンセサイザーの音色を重ねるという手法が採用されました。小室は「1993年を感じさせるようなアレンジを目指した」と語っており、時代の空気感を表現しています。

また、アルバムの収録曲には「〜mix」がリミックス、「〜version」が原曲そのままの形で収録されていることが明記されています。しかし、いくつかの曲に関しては、原曲のままで十分であると判断され、リミックスが行われていないにもかかわらず、形式上はリミックス盤としての整合性が保たれています。

コンセプト

小室は今回のアルバムについて、「TMNの93年型へのモデルチェンジ」と位置づけており、「新しさが必要」と考えていることを示しています。彼は「以前の楽曲を並べただけのベスト・アルバムにはしない」と宣言し、プロのレコーディング・エンジニアとしての技術を試すための実験的な意図も感じられます。さらに、打ち込みによってもグルーヴを作り出すことを証明する狙いも持っています。

楽曲の解説

本作は、全体を通して非常に多彩な楽曲が収録されています。例えば、『Channel '93』はインスト楽曲で、新たな感覚を呼び起こします。リミックスされた「Dive Into Your Body (extended 12' version mix)」は、女声コーラスがオーバーダビングされ、原曲のファンにも新しい楽しみ方を提供しています。また、「Get Wild (techno overdub mix)」はシーケンスを強調し、力強いサウンドを呈示しています。

「We Love The Earth (single overdub mix)」や「Rhythm Red Beat Black (house sample foods mix)」なども印象的で、それぞれが新たなアレンジと共に聴く者の感覚を刺激します。特に、後者のタイトルはハウス・ミュージックのサンプリングが影響している点も見逃せません。

評価と再発

発売当初から好評を得ており、音楽専門誌でも「時代を感じさせない手法は実に見事」と評されるなど、業界内でも高い評価を受けています。初回版はスリーブケース付きで販売され、その後もリマスター版や高品質CD『Blu-spec CD2』として再発売されています。

小室はリミックスされたアルバム以外にも様々な楽曲に手を加えていましたが、最終的にはお蔵入りとなったトラックもあるとのことです。これは7thアルバムがハードロック調だったため、テクノに合ったミックスが難しかったためとされています。

まとめ

『TMN CLASSIX』は、ただ過去の楽曲を集めるだけでなく、革新的なアプローチを通じて時代を超えた音楽体験を提供している作品です。小室哲哉の手掛けるリミックスは新たな価値をもたらし、聴く者に新鮮な印象を与えています。本作は音楽の歴史における重要な一手として、今なお多くのリスナーに愛され続けています。

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