TSURUMIこどもホスピス

TSURUMIこどもホスピス：日本初の子どもホスピス

TSURUMIこどもホスピスは、公益社団法人こどものホスピスプロジェクト(CHP)が運営する、日本初の子どもホスピスです。2016年4月1日に開設されたこの施設は、大阪市鶴見緑地という緑豊かな環境の中にあり、病院というよりも家庭的な雰囲気を重視した設計となっています。

家庭的な雰囲気と地域との連携

TSURUMIこどもホスピスは、単なる医療施設にとどまらず、地域社会と連携したコミュニティ型のホスピスとして運営されています。敷地内には広々とした広場や遊び場があり、その一部は地域住民にも開放されています。これは、施設が鶴見緑地という公園内に位置していることと密接に関係しています。CHPの提案した『あそび創造広場』が、大阪市が公募した鶴見緑地駅前エリアの土地活用事業に採択されたことが、このホスピスの開設に繋がったのです。

イギリス・オックスフォードにある世界初の子どもホスピスであるヘレン＆ダグラスハウスをモデルに、子どもたちが安心して過ごせる環境づくりに力を入れています。

基本方針

TSURUMIこどもホスピスは、以下の6つの基本方針を掲げています。

1. 病院ではなく家である（Home from Home）：子どもたちが家庭にいるかのような安心感と温もりを感じられる空間を提供します。
2. 友として関わる（Friendship, Tender loving, Care alongside）：子どもたちや家族と信頼関係を築き、寄り添う姿勢でサポートします。
3. 子どもが大切にされる社会を醸成する（Children First）：子どもたちの権利と尊厳を尊重し、社会全体で子どもたちを支える意識を高める活動に取り組んでいます。
4. 困難に見合ったリソースの配分を行う（Fairness）：子どもたちのニーズに合わせた適切な医療・ケアを提供するために、必要なリソースを公平に配分します。
5. 財源を寄付に頼った慈善活動である（Free standing）：寄付金やボランティアの活動によって運営されています。
6. 活動の透明性を保証する（Transparency）：運営の透明性を確保し、社会からの信頼を得るよう努めています。

利用対象者とサービス

利用対象者は、生命を脅かす状態（LTC：Life-threatening condition）にある18歳までの子どもです。小児がん、先天性心疾患などの重篤な病気や、進行性の病態、不可逆性の重度の障害を持つ子どもたちが対象となります。利用にはエントリーシートの提出と承認委員会の審査が必要です。サービスは無料で提供されており、デイユース（日帰り利用）とステイ（宿泊）があります。ステイは基本1泊です。

アクセスと受賞歴

TSURUMIこどもホスピスは、大阪市営地下鉄鶴見緑地線鶴見緑地駅から徒歩4分の場所に位置しています。近隣には鶴見緑地プールや鶴見緑地運動場などがあります。

この施設は、その優れたデザインと理念が高く評価され、数々の賞を受賞しています。2016年のGOOD DESIGN AWARD、2017年のキッズデザイン賞（優秀賞）、AACA賞（奨励賞）、優秀建築選（100選）、BCS賞など、数々の賞を受賞しています。

まとめ

TSURUMIこどもホスピスは、子どもたちとその家族にとってかけがえのない存在であり、日本のホスピスケアの未来を示すモデルケースとなっています。その取り組みは、多くの人の心を癒し、希望を与え続けています。今後も、子どもたちが笑顔で過ごせる環境づくりに貢献していくことが期待されます。

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