The Crossing ザ・クロッシング

映画『ザ・クロッシング』の概要

『ザ・クロッシング』は、中国と香港の合作映画で、2014年に第一部、2015年に第二部が公開されました。この映画は、1949年の国共内戦の時代を背景に、沈没した客船「太平輪」に乗り込んだ3組の男女の運命を描いた物語です。総製作費は約76億円で、監督には著名なジョン・ウーが名を連ねており、主演にはチャン・ツィイーや金城武、ソン・ヘギョ、ホアン・シャオミンなどが出演しています。

あらすじとストーリー展開

PART I

物語は1945年から始まります。日本軍に従軍する台湾人医学生の厳沢坤（演：金城武）は、戦場で負傷者の手当てに励んでいます。一方で、師団長の雷義方（演：ホアン・シャオミン）は、負傷しながらも敵に立ち向かい勝利に導く英雄となります。しかし、厳沢坤は敵に捕らえられ、その後、捕虜としての過酷な日々が待ち受けています。彼の心の中には、日本人の恋人、志村雅子（演：長澤まさみ）への思いが強く根付いています。

1947年、辛い戦火が迫る上海では、貧しい女性、于真（演：チャン・ツィイー）が姿を消した恋人を探し続けています。国民党将軍となった雷義方は、慈善パーティーで運命的な出会いを果たしますが、次第に戦争の影に飲み込まれていくのです。そして1948年、彼の妻となった周蘊芬（演：ソン・ヘギョ）は、上海からの脱出を試みるのですが、厳しい現実が彼女を待っています。

この時期、多くの人々が客船「太平輪」に乗り込んで台湾を目指す中、厳沢坤も診療所を離れ台湾を目指します。彼の思い出が交錯する一方で、同じく「太平輪」には様々な人々の運命が交差し、切ない別れと再会が描かれます。

PART II

続く第二部では、厳沢坤の家族と彼の恋人たちの生活が中心に描かれます。厳家の父はすでに他界しており、厳の母は家族の絆を守ろうと奮闘します。しかし、彼女は厳沢坤と日本人の雅子との関係を受け入れられずにいました。時は流れ、厳沢坤が戦地から戻ってきた際には、戦争の影響で様々な事態に直面します。

ユンフェンは軍から送られたイーファンの弔報に打ちひしがれます。彼女の悲しみのなか、厳沢坤もまた別れを経験し、時には過酷な選択を迫られます。彼は雅子への思いを再確認し、手紙を通して彼女の過去を知ることになるのです。

上海では、人民解放軍の進攻に対する不満で市民たちが一斉にデモを行なっていました。その中で、「太平輪」に乗船するために人々は集まり、厳沢坤や他の登場人物たちが共に命の保障を求めて大海へと旅立ちます。しかし、運命は彼らに厳しく、客船は悲劇的に沈没します。

二部の結末では、ターチンがイーファンの日記を届け、ユンフェンは彼を介して戦争の残酷さを実感します。心に刻まれた愛と別れが、登場人物たちの未来を決定づけることになります。こうした壮大な物語を通じ、映画は戦争の影響といったテーマを深く探求しています。

『ザ・クロッシング』は単なる戦争ドラマに留まらず、愛と別れ、運命の交差を描いた感動的な作品です。

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