The Insulated World

DIR EN GREY|DIR_EN_GREYの『The Insulated World』（ジ・インサレイテッド・ワールド）は、2018年に発表された彼らのメジャー10作目のアルバムです。

約4年ぶりとなるオリジナルアルバムのタイトルは、英語で「隔離された世界」を意味し、キャッチコピーは「真偽は己の中に在る」です。前作『ARCHE』以降に発表されたシングル「詩踏み」と「人間を被る」はボーカルが再レコーディングされ、ミキシングとマスタリングも本作に合わせて調整されています。アルバムには、これらの曲に加え、新たに書き下ろされた11曲を含む全13曲が収録されています。

アルバムは、完全生産限定盤（Blu-spec CD2＋特典CD＋特典DVDまたはBlu-ray）、初回生産限定盤（CD+特典CD）、通常盤（CDのみ）の3つの形態で発売されました。完全生産限定盤の特典CDには、「鬼眼-kigan-」「THE DEEPER VILENESS」「理由」の再構築バージョンに加え、2018年6月30日に新木場STUDIO COASTで行われた公演からのライブ音源「腐海」「Ash」「Beautiful Dirt」が収録されています。また、Blu-rayまたはDVDには、全国ツアー「TOUR18 真世界」より、2018年4月28日の仙台銀行ホール イズミティ21公演と6月30日の新木場STUDIO COAST公演からのライブ映像が収録されています。初回生産限定盤の特典CDには、「鬼眼-kigan-」の再構築バージョンと、「腐海」「Beautiful Dirt」のライブ音源が収録されています。

ミキシングは、DISC 1を先行シングル「人間を被る」に引き続きダン・ランカスターが担当し、DISK 2の再構築楽曲は、かつて23rdシングル「激しさと、この胸の中で絡みついた灼熱の闇」を手掛けたイェンス・ボグレンが担当しています。マスタリングはブライアン・ガードナーが担当しました。

オリコン週間アルバムチャートでは、初週に21,767枚を売り上げ、6位にランクインしました。

制作にあたっては、前作『ARCHE』が比較的ミドルテンポの曲が多かったことから、全体的に速いテンポで攻撃的な楽曲を多めにすることを意識したとのことです。楽曲制作は従来通りメンバー同士でデータのやり取りを行う形で行われましたが、アルバム曲を作成する中で、薫が京に初めて「途中まででも出来上がっている歌詞を読ませてほしい」と連絡を取り、そのイメージを取り入れていったとのことです。京の中では曲順も含めてある程度のストーリーがまとまっており、1曲目と最後の曲を何にするかだけは決まっていたといいます。

このアルバムでは、1曲1曲が個性を持っているというよりは、アルバム全体が各々の曲を補っているイメージになったといいます。薫によれば、曲作りに難航した際、それまではアレンジなどをして理想に近づけていたものを、今回は上手くいかなかった曲は潔く捨て、初めの発想から変えないようにした結果、このような構成になったとのことです。DieやToshiyaは、DIR EN GREY|DIR_EN_GREYというバンドを追求し、5人がバンドの将来について意識した結果、次のステージに進むためのアルバムになったと語っています。

2016年から2年間行われていた過去アルバムを引っ提げた一連のリバイバルツアー『FROM DEPRESSION TO ________ [mode of 16-17]』では、本アルバムから幾つか先行披露された楽曲もありました。

翌年には、30thシングル『The World of Mercy』がリリースされ、このアルバムの世界観を引き継ぎ、10分の長尺シングルとなっています。

アルバムは、DIR EN GREY|DIR_EN_GREYが新たな境地を開拓し、その音楽性を深化させた作品として、ファンから高く評価されています。

もう一度検索