The Love Bug

m-floの16枚目のシングル『the Love Bug』は、2004年3月17日にリリースされた、m-flo loves BoA名義の作品です。m-flo loves Who?シリーズの第3弾として、韓国を代表する女性歌手BoAをフィーチャーした点が大きな特徴です。

タイトルの『the Love Bug』は、英語のスラングで「胸キュン」を意味します。このタイトルからも、恋に落ちるドキドキ感を表現した楽曲であることが伺えます。キャッチーなメロディーとBoAの透き通る歌声が、聴く者の心を掴む魅力的な一曲となっています。

この楽曲は、コピーコントロールCDとして発売されました。当時、音楽業界では著作権保護のためコピーコントロールCDが普及しつつあり、本シングルもその流れを汲んでいます。

興味深いのは、BoAのアルバム『LOVE & HONESTY』(2004年)に収録されている「SOME DAY ONE DAY feat. VERBAL (m-flo)」という楽曲の存在です。この楽曲の中で、m-floの次のボーカルがBoAであると示唆されており、『the Love Bug』はその予告とも捉えることができます。両アーティストの今後のコラボレーションへの期待感を高める伏線として機能していたと言えるでしょう。

また、『the Love Bug』のInstrumentalバージョンは、シングルには収録されていませんでしたが、アナログ盤には収録されていました。楽曲の構成やサウンドをより深く味わいたいリスナーにとって、貴重な音源となっています。ベースラインは、Sylvia Striplinのアルバム『Give Me Your Love』のタイトル曲を引用しているという点も、音楽的なこだわりを感じさせる要素です。

さらに、2014年には、m-flo DJ MIX CD『EDM-FLO』において、CAPSULEの中田ヤスタカによるリミックスバージョン「the Love Bug -Yasutaka Nakata (CAPSULE) Remix-」が収録されました。オリジナルとは異なる新たな魅力を持つこのリミックスは、時代を超えて楽曲が愛されている証拠と言えるでしょう。

『the Love Bug』は、様々なアーティストによってカバーもされています。例えば、YU-Aは2009年にリリースされたトリビュートアルバム『m-flo TRIBUTE 〜maison de m-flo〜』でこの曲をカバーしています。オリジナルとは異なる解釈で歌われたカバーバージョンは、楽曲の幅広い魅力を示しています。

シングルには、「the Love Bug」に加え、「the Love Bug（Big Bug NYC Remix）」、「the Love Bug（covered by BAGDAD CAFE THE trench town）」の計3曲が収録されています。それぞれのバージョンは異なるアレンジが施されており、聴き比べも楽しめる作品となっています。

このように、『the Love Bug』は、音楽的なクオリティ、アーティスト同士の繋がり、そして時代を超えた人気と、多くの魅力を兼ね備えた楽曲です。その人気は、数々のリミックスやカバー、そして現在もなお聴かれ続けているという事実からも明らかです。

もう一度検索