The Society for Information Display

Society for Information Display (SID)の概要

Society for Information Display（SID）は、1962年に設立された、電子ディスプレイ技術を専門とする世界最大の学会です。略称はSIDで、日本国内では「国際情報ディスプレイ学会」や「アメリカ情報ディスプレイ学会」などとも呼ばれています。

SIDの設立と歴史

1960年代初頭、当時の無線学会IRE（翌年IEEEと合併）が電子ディスプレイを専門とするセクションを設けなかったことをきっかけに、IRE所属の有志が独立してSIDを設立しました。最初の会合は1962年9月29日、UCLA Boelter Hallで開催されました。この経緯から、SIDとIEEEは設立時期が近く、兄弟的な関係と言えるでしょう。

ブラウン管テレビからプラズマ、液晶、有機ELと、ディスプレイ技術の革新と市場拡大に伴い、SIDも成長を続けました。学会活動だけでなく、展示会も大規模なものとなり、会員数は5000～6000人、年1回のSID Display Weekには7000人もの参加者を集める業界最大級のイベントに発展しています。2012年には50周年を記念して式典が開催され、最初の会合が行われたUCLA Boelter Hallに記念博物館も設置されました。

SIDの運営と組織

SIDの本部はカリフォルニア州キャンベルに置かれ、5人の役員と多くのボランティアからなる委員会によって運営されています。

SID Display Week

毎年5～6月、アメリカで開催される1週間規模の学会と展示会です。約7000人が参加し、技術発表、セミナー、展示会、ビジネス会議など多様なプログラムで構成されています。

技術発表

シンポジウム：ディスプレイ分野の最新の研究開発成果が世界中から発表されます。
Special Topic：その年に注目されている分野に特化した発表が行われます。
セミナー：専門家が注目の技術を解説します。
ショートコース：基礎を学ぶためのチュートリアルコースです。

ビジネス関連イベント

展示会：ディスプレイ、部材、材料、計測機器など、幅広い分野の企業が出展します。
ビジネス会議：各事業分野の展望やトレンドについて議論されます。
投資家会議：投資効果の観点からの議論が行われます。
市場フォーカス会議：流行分野の市場トレンドが議論されます。
I-Zone：ベンチャー企業や大学などが新技術を発表する場です。
Special Event：異業種交流イベントです。

SID関連学会

SIDは、世界各地のディスプレイ関連学会と連携しています。主なものとしては、日本の国際ディスプレイワークショップ(IDW)、韓国の国際情報ディスプレイ会議(IMID)、台湾の国際ディスプレイ製造会議(IDMC)、中国の国際ディスプレイ技術会議(ICDT)、そして欧州のEurodisplayなどがあります。

SIDの支部

SIDは世界中に30以上の支部を持ち、地域活動を活性化するため、7つのリージョンに支部を分割して運営しています。日本支部はJapan Regionに属しています。

SIDの出版物

SIDは、論文誌『Journal of the Society for Information Display』、予稿集『SID International Symposium Digest of Technical Papers』、雑誌『Information Display Magazine』、そして『SID-Wiley Series in Display Technology』という教科書シリーズを発行しています。教科書シリーズは、液晶、有機EL、フレキシブルディスプレイなど、幅広い分野を網羅しています。

SIDの賞

SIDは、ディスプレイ技術への貢献を表彰する様々な賞を設けています。個人賞としては、David Sarnoff Industrial Achievement Prize、Peter Brody Prize、Karl Ferdinand Braun Prizeなどがあり、製品・アプリケーション賞としてDisplay of the Year Award、Display Application of the Year Award、Display Component of the Year Awardなどがあります。また、SID Display WeekのI-ZoneではBest Prototype Winner、Best in Show Awardsが選出されます。

SIDの会員資格

SIDには、個人会員と法人会員があります。個人会員には、Full membership、Student membership、Life membershipなどがあり、法人会員にはGold、Silver、Corporateの3つのランクがあります。会員特典としては、出版物の閲覧、学会参加割引、各種イベントへの参加などがあります。

特殊会員資格

ディスプレイ業界への顕著な貢献に対して、SID FellowとSenior Memberという特別な会員称号が与えられる場合があります。

結論

SIDは、電子ディスプレイ技術の発展に大きく貢献してきた学会です。今後もディスプレイ技術の進歩を支える重要な役割を担っていくでしょう。

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