These Words

アンジェラ・アキの原点、幻のインディーズアルバム「These Words」

「These Words」は、シンガーソングライター、アンジェラ・アキがアメリカで2000年1月4日にリリースしたインディーズアルバムです。これは彼女が最初に世に出した作品であり、その後の彼女の音楽活動を語る上で欠かせない重要な一枚と言えるでしょう。

制作の背景と幻の存在

プロデューサーはTony Alany。当時、アンジェラ・アキはアメリカのライブハウスやバーで定期的にライブ活動を行っており、本作はその頃の彼女の音楽性を色濃く反映していると考えられます。しかし、現在、アンジェラ・アキ本人はこのアルバムの存在について一切触れていません。公式ページやブログにも情報はなく、そのために本作を知らないファンも少なくありません。ちょうど日本のCMプロデューサーとの出会いがあり、楽曲提供を薦められていた時期の作品であることから、日本でのデビューも視野に入れていた可能性がありますが、詳細は不明です。

楽曲の特徴

収録曲は全曲英語詞で、後の作品に収録された楽曲はありません。現在、インターネット上で2曲が試聴可能ですが、それ以外の楽曲は入手困難です。アルバムジャケットには、珍しいメガネなしの彼女の写真が掲載されています。日本未発売で、アメリカでもインディーズ流通だったため、オークションにも出品されることはほとんどなく、幻の一枚となっています。

収録曲

1. I'll Fall
打ち込み楽器が目立つ楽曲で、生音を基本とする現在の彼女のコンセプトとは異なる雰囲気があり、デビュー前の側面を垣間見ることができます。
2. We Dance
現在のスタイルにも通じるピアノ楽曲で、すでにこの時点で弾き語りの基本スタイルが確立されていたことが伺えます。
3. 100 Ways
後のアルバム『Home』収録曲にも通じるバンド形式の楽曲です。
4. April Sun
ギター弾き語りを主体とした楽曲で、パーカッションが効果的に使用されています。現在のアンジェラ・アキの楽曲ではあまり使われない楽器が多く使用されているのが特徴です。
5. Funny Dreamers
6. Roshni's Song
ピアノ弾き語りの楽曲で、歌い方や音の乗せ方など、現在のスタイルに通じるものがあります。
7. Perfectly Happy There
ギターや生ドラムなどを使ったハワイアンな雰囲気の楽曲です。
8. Your Voice
9. Peace To
10. Magic
11. hidden track「Come Home to Me」

楽曲の一部がテレビで紹介

2010年4月12日放送の「こころの遺伝子 〜あなたがいたから〜」で、アンジェラ・アキのアメリカ時代のエピソードが紹介され、アルバム制作当時勤めていた会社の上司が登場しました。ビデオレターで、上司が現在でもこのアルバムのCDを大切に聴いていることを明かし、自宅でCDをかけるシーンで「100 Ways」の一部が放送されました。これは、現時点で本作の収録曲が日本国内で放送された唯一の例です。

離婚と楽曲の関係性

このアルバムのプロデューサーであるTony Alanyは、アンジェラ・アキの最初の夫です。アメリカにおける作品の発表がその後一切なかったこと、次の作品が発表されるまでに4年以上の時間がかかったこと、本作収録の「I'll Fall」や次作「ONE」の「Rain」の歌詞などから、離婚を含めたその前後の経緯が反映されているのではないかという見方もあります。

現在の入手状況

現在、本作は非常に入手困難な状態です。しかし、インターネット上では一部の楽曲を試聴することが可能です。アンジェラ・アキの音楽のルーツを探る上で、ぜひ一度触れてみてはいかがでしょうか。

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