TranTixxii

TranTixxii：時代を超えるチタンの美しさ

TranTixxii（トランティクシー）は、日本製鉄が2017年に発表した、意匠性に優れたチタン製品ブランドです。高耐食性、軽量性、高強度といったチタンの優れた特性を活かしつつ、独自の技術によって多彩な色彩とテクスチャーを実現。単なる素材としてではなく、建築物や製品に「美しさ」という付加価値をもたらす、革新的な素材として注目を集めています。

TranTixxiiの3つの要素：カラー、テクスチャー、フォルム

TranTixxiiの美しさは、以下の3つの要素によって生み出されています。

1. カラー: チタン表面の酸化皮膜の膜厚をナノオーダーで制御することで、光の干渉現象を利用した鮮やかな干渉色（構造色）を表現します。さらに、窒化チタンイオンプレーティング技術を用いた物体色のゴールドカラーも展開。これらにより、数百種類にも及ぶ多彩なカラーバリエーションを実現しています。

2. テクスチャー: ロール仕上げ、ショットブラストなど、様々な表面加工技術によって、金属らしい光沢感から、天然素材のようなマットな質感まで、幅広いテクスチャーを表現可能です。特に、伝統建築への適用においては、周囲の景観に調和するよう、反射光を抑えたマットな仕上げが用いられることも多いです。

3. フォルム: TranTixxiiブランド自体は板状の製品を出荷しますが、その後の造形加工は提携企業が担当します。日本製鉄は、加工に関するシミュレーション技術やノウハウを提供することで、デザインの可能性を広げています。

TranTixxiiの技術：チタン変色現象の克服

TranTixxiiの技術的基盤となっているのは、日本製鉄が2001年に世界で初めて解明したチタンの変色現象のメカニズムと、その抑制技術です。この技術により、長期間にわたって色彩とテクスチャーを維持することが可能になり、屋外環境での使用にも耐えうる製品を実現しています。この技術は、2016年の実証試験でもその有効性が確認されており、長期使用を前提とした製品に最適です。

TranTixxiiの特性：時代を超える耐久性と軽量性

TranTixxiiは、チタン本来の特性を活かした、次のような優れた特性を備えています。

高い耐久性: 数百年の耐用年数を持つといわれる高い耐食性を誇り、メンテナンスコストの大幅な削減に貢献します。
軽量性: 鉄や銅などの従来の金属材料に比べて非常に軽量であり、極薄化も可能です。
環境適合性: 自然界に流出せず、人体に対しても安全な素材です。
その他の特性: 熱や電気を通しにくく、非磁性であることも特徴です。

TranTixxiiの適用事例：建築から高級家具まで

TranTixxiiは、その高い意匠性と耐久性から、様々な分野で活用されています。

建築: 国内外の有名寺社仏閣、博物館、大型施設、高級ホテルなどで、外装・内装材として採用されています。
その他: 時計、カメラ、レジャー用品、高級家具、高級文具など、高級感と耐久性が求められる製品にも利用されています。

TranTixxiiの未来

TranTixxiiは、まだ普及が始まったばかりの素材ですが、その優れた特性とデザイン性の高さから、今後ますます幅広い分野での活用が期待されています。初期コストは高いものの、長期間の使用による経済性や、メンテナンスコストの削減効果を考慮すると、公共建築や伝統建築、高級住宅など、長寿命化が求められる分野での採用が加速していくと予想されます。

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