Turbolinux

ターボリナックス (Turbolinux)

ターボリナックスは、かつてターボリナックス社によって開発されたLinuxディストリビューションであり、主にアジア市場において独自の地位を築いていました。1997年に米Pacific HiTechによって開発が開始され、日本国内ではパシフィックハイテックがパッケージ販売を行いました。その後、ターボリナックスジャパンにより事業が継承され、日本を中心に中国、韓国などのマルチバイト文字が必要とされる地域で商用展開が行われました。

ターボリナックスは比較的早い段階でLinuxカーネル2.6を採用し、またWindows Mediaの再生を可能にするソフトウェアも同梱していたため多くのユーザーから支持を受けました。AMD64への対応も早く、Microsoft Windowsとの互換性強化に積極的でした。また、Ricoh Gothicなどの非フリーコンポーネントを含みつつ、これらは後にnon-freeリポジトリに分離されています。

特に注目すべきは、ターボリナックスが開発した独自のインストーラであるMongooseで、これはAnacondaをベースにしたもので、利用者にとって柔軟性と使いやすさを提供していました。さらに、Turbolinux WebNaviというFirefox 3.0派生のブラウザや、Windows Mediaに対応したTurbo メディアプレーヤーを内蔵していた点も挙げられます。

ターボリナックスは、2008年8月に無償のTurbolinux Client 2008 Live Editionを発表し、多くのユーザーに利用されました。これにより、配布本数は累計15万本を超えました。しかし、日本国内ではTurbolinux FUJI以降に開発者やユーザー間の対立が見られ、Turbolinux Client 12.5以降は新たな製品の発表が途絶え、国産ディストリビューションとしてのターボリナックスの開発は終了しました。

その後、中国でのターボリナックスの開発は続き、2014年12月にはTurbolinux 13の中国版であるGreatTurbo Enterprise Server 13が発売されました。2016年にはさらにアップデートが行われ、その後はHUAWEIとの共同開発を経て2020年にTurbolinux Enterprise Server 15が公開されました。このバージョンは日本語入力にも対応し、国産時代の特徴を引き継ぎつつ、Microsoftとのライセンス契約による高い互換性が特徴です。

ターボリナックスは、歴史の中でデスクトップ向けだけでなく、サーバやウェブクラスタリングに特化したディストリビューションも展開してきました。また、ターボリナックスに関連する各種のプロジェクトやベンチャーも存在し、長らくLinuxの発展に寄与してきました。特に日本市場におけるビジネスモデルや展開方法は、他のディストリビューションとは一線を画しており、多くのユーザーから支持を受けました。ターボリナックスの魅力は、ユーザーにとって使いやすく、強力な機能を提供することにありました。今後もTurbolinuxの進化は注目されるでしょう。

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