U29 (潜水艦・2代)

U-29：第二次世界大戦で活躍したドイツのUボート

U-29は、第二次世界大戦中にナチス・ドイツ海軍が運用したVIIA型Uボートです。1936年に起工され、数々の哨戒任務で戦果を挙げましたが、大戦末期に自沈しました。ここでは、U-29の生涯を詳細に解説します。

艦歴

U-29は1936年1月2日に起工、同年8月29日に進水し、11月16日に就役しました。就役期間中、オットー・シューハルト大尉の指揮下で7回の哨戒任務に従事しました。

空母カレイジャス撃沈

U-29は、1939年9月17日にイギリスの空母カレイジャスを撃沈しました。これは、第二次世界大戦において敵の攻撃によって沈没した最初のイギリス軍艦であり、ドイツにとって大きな戦果となりました。当時のドイツ潜水艦隊司令官カール・デーニッツは、この戦果を「素晴らしい成功」と評価。ドイツ海軍総司令官のエーリヒ・レーダー海軍元帥は、シューハルトに第一級鉄十字勲章を、U-29の乗組員全員に第二級鉄十字勲章を授与するよう指示しました。

戦果とその後

U-29は就役期間中に、合計67,277総登録トン(GRT)の12隻の船舶と、22,500トンの軍艦1隻を撃沈しました。1941年初頭には前線任務から外され、第24潜水隊群に訓練潜水艦として再配置。1944年4月17日まで訓練潜水艦として使用された後、指導用の潜水艦となりました。

最期

U-29は、第二次世界大戦末期の1945年5月5日に、レーゲンボーゲン作戦の一環として捕獲を避けるため、クプフェルミューレン湾（フレンスブルクの東）で自沈しました。残骸は、1993年時点で自沈地点に位置していることが確認されています。

ウルフパック

U-29は、以下のウルフパックに参加しました。

レーシング (1940年6月12日 - 15日)

紋章

U-29の紋章には、樫の葉、錨、短剣（ダガーナイフ）が描かれていました。この紋章は、U-3、U-120、U-747、U-1274、U-1308とも共有されていました。

歴代艦長

U-29の歴代艦長は以下の通りです。

ハインツ・フィッシャー大尉 (1936年11月16日 - 1938年10月31日)
ゲオルク・ハインツ・ミシェル中尉 (1938年11月1日 - 1939年4月3日)
オットー・シューハルト大尉 (1939年4月4日 - 1941年1月2日)
ゲオルク・ラッセン中尉 (1941年1月3日 - 1941年9月14日)
ハインリヒ・ハーゼンシャール中尉 (1941年9月15日 - 1942年5月5日)
カール・ハインツ・マルバッハ中尉 (1942年5月6日 - 6月30日)
ルドルフ・ツォルン中尉 (1942年11月15日 - 1943年8月20日)
エドゥアルド・オースト少尉/中尉 (1943年8月21日 - 1943年11月2日)
ウルリッヒ・フィリップ・グラーフ・フォン・ウント・ツー・アルコ・ジンネベルク中尉 (1943年11月3日 - 1944年4月17日)

まとめ

U-29は、第二次世界大戦初期に活躍したドイツのUボートであり、空母カレイジャスの撃沈という大きな戦果を挙げました。その後は訓練潜水艦として任務に就き、大戦末期に自沈しました。その生涯は、第二次世界大戦におけるUボートの活動を物語る上で重要な一例と言えるでしょう。

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