UFC 66

UFC 66: 激闘の夜、そして波紋

2006年12月30日、ネバダ州ラスベガスのMGMグランド・ガーデン・アリーナ。熱狂的なファンの声援が渦巻く中、UFC 66のゴングが鳴り響きました。この大会の最大の注目は、何と言ってもメインイベントの世界ライトヘビー級タイトルマッチ。王者チャック・リデルと、因縁のライバル、ティト・オーティズの激突、通算2度目の対戦でした。

両雄の激突は、まさに死闘。互いに譲らぬ打撃戦が繰り広げられ、会場のボルテージは最高潮に達しました。最終的に、リデルが3ラウンド3分59秒、TKOで勝利。見事4度目の王座防衛を果たし、王者としての地位を不動のものとしました。この試合は、大会を象徴する名勝負として、多くのファンの記憶に刻まれました。リデルとオーティズの両選手は、ファイト・オブ・ザ・ナイトを受賞する栄誉に輝いています。

メインイベント以外にも、数々の手に汗握る試合が展開されました。岡見勇信選手は、ローリー・シンガー選手を相手に、3ラウンド4分3秒、TKO勝利。日本を代表するファイターとして、その実力を世界に示しました。また、キース・ジャーディン選手は、ノックアウト・オブ・ザ・ナイトを獲得する圧巻のパフォーマンスで観客を圧倒しました。ジェイソン・マクドナルド選手は、見事なサブミッションで勝利し、サブミッション・オブ・ザ・ナイトの栄冠に輝きました。

しかし、大会は歓喜だけではありませんでした。チアゴ・アウベス選手は、試合後の検査で禁止薬物であるスピロノラクトン（利尿剤）の陽性反応が出ました。この結果、ネバダ州アスレチック・コミッションから8ヶ月の出場停止処分と5,000ドルの罰金が科せられることとなりました。勝利の喜びは、この処分によって影を落とすことになりました。

UFC 66は、リデルの圧倒的な勝利、岡見選手の活躍、そしてアウベス選手への処分と、様々なドラマが凝縮された大会でした。この大会は、UFCの歴史において重要な一ページを刻み、多くのファンの記憶に深く刻まれることになったのです。各選手の熱い闘志、そして勝利への執念が、会場全体を熱狂の渦に巻き込んだ一夜となりました。

以下に、当大会の試合結果詳細を示します。

プレリミナリィカード

第1試合 ヘビー級：クリスチャン・ウェリッシュ ○ vs. アンソニー・ペロシュ × (判定3-0)
第2試合 ミドル級：岡見勇信 ○ vs. ローリー・シンガー × (3R 4:03 TKO)
第3試合 ヘビー級：ガブリエル・ゴンザーガ ○ vs. カーメロ・マレロ × (1R 3:22 腕ひしぎ十字固め)
第4試合 ウェルター級：チアゴ・アウベス ○ vs. トニー・デソーザ × (2R 1:10 KO)

メインカード

第5試合 ライトヘビー級：マイケル・ビスピン ○ vs. エリック・シェイファー × (1R 4:24 TKO)
第6試合 ヘビー級：アンドレイ・アルロフスキー ○ vs. マーシオ・クルーズ × (1R 3:15 KO)
第7試合 ミドル級：ジェイソン・マクドナルド ○ vs. クリス・リーベン × (2R 4:03 フロントチョーク)
第8試合 ライトヘビー級：キース・ジャーディン ○ vs. フォレスト・グリフィン × (1R 4:41 TKO)
* 第9試合 UFC世界ライトヘビー級タイトルマッチ：チャック・リデル ○ vs. ティト・オーティズ × (3R 3:59 TKO)


UFC 66は、勝者と敗者、そしてその後の波紋まで、総合格闘技のドラマを凝縮した大会として、今も語り継がれています。

もう一度検索