Uniform Type Identifier

Uniform Type Identifier（UTI）は、データの種類を一意に識別するための文字列です。AppleがmacOS X v10.4から導入し、Spotlightなどのシステム機能で、ファイル、フォルダ、クリップボードのデータ、バンドル、エイリアス、シンボリックリンク、ストリーミングデータなど、さまざまなデータエンティティを識別するために利用されています。

UTIは、ドメイン名を逆順にした構造を持つことが特徴です。これにより、名前の衝突を避けて一意性を確保しています。例えば、`com.example.my-document`のような形式で表現されます。また、UTIは従来のMIMEタイプのように単一の型に限定されず、多重継承をサポートしています。これにより、1つの識別子が複数の性質を兼ね備えることができます。例えば、`public.audio`、`public.video`、`public.text`、`public.image`といった複数の識別子を継承することが可能です。この柔軟性が、複雑なデータ構造を扱う上で非常に役立ちます。

UTIの核となるのは、継承の階層構造です。この構造には、以下の2つの階層が存在します。

物理階層: データの物理的な表現に基づく継承。これは必須の継承です。例えば、画像ファイルであれば、そのファイル形式（JPEG, PNGなど）がこの階層で定義されます。
機能階層: データの機能的な側面に基づく継承。これは任意の継承です。例えば、編集可能なテキストファイルや、読み取り専用のテキストファイルなどの機能的な区別を定義できます。

これらの階層を組み合わせることで、データの種類をより詳細に定義できます。UTIには`public`ドメインという特別なドメインがあり、これはAppleのみが宣言できるドメインで、UTIの基本となる型を含んでいます。この`public`ドメインで定義された型は、他のすべてのUTIのベースとなります。また、UTIは、他のファイルタイプ識別子を識別する目的でも利用されます。例えば、特定のアプリケーションがサポートする独自のファイルタイプをUTIで定義し、システム全体で認識できるようにすることができます。

UTIは、データ型の識別だけでなく、アプリケーションが特定の種類のファイルを処理する際のガイドラインとしても機能します。これにより、異なるアプリケーション間でデータの互換性が保たれ、ユーザーエクスペリエンスの向上が期待できます。UTIは、macOSのシステム全体で深く統合されており、ファイル操作、検索、データ共有など、多くの場面で重要な役割を果たしています。

より詳細な情報については、以下の外部リンクを参照してください。

System-Declared Uniform Type Identifiers
Uniform Type Identifiers Overview
Uniform Type Identifier の概要 (和訳)
Mac OS X 10.4 Tiger（Ars Technica のUTIに関する記事

これらの資料を参考に、UTIについてさらに理解を深めてください。

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