United Linux

United Linux（ユナイテッド・リナックス）とは

United Linuxは、2002年5月30日にCaldera、Conectiva、SuSE、ターボリナックスの4社によって共同で設立された、企業向けの統一Linuxディストリビューションとその開発団体の名称です。このプロジェクトは、Linuxディストリビューション間の差異を減らし、企業ユーザーのニーズに応えることを目指していました。

設立の背景

当時、Linux市場では、レッドハットが企業向け市場で大きなシェアを占めていました。各ディストリビューション間の差異が大きく、企業が求めるベンダーサポートもレッドハットに集中していたため、その独占状態は「第二のマイクロソフト」とまで警戒される状況でした。United Linuxは、このような状況に対抗する「反レッドハット連合」として結成されましたが、同時に「弱者連合」と揶揄されることもありました。

プロジェクトの内容

United Linuxは、SUSE Enterprise Linuxをベースとし、参加各社がコア部分を共同開発し、それぞれ独自の付加価値を加えて製品化するという方式を採用しました。これにより、各ディストリビューションのコア部分の統一化を目指しました。

活動の終焉

しかし、United Linuxの活動は短命に終わります。2002年8月にCalderaがSCOグループと改名し、2003年3月にはLinuxを巡る裁判を開始したことで、事実上活動を停止しました。また、ターボリナックスもSRAの傘下に入り、北米市場から撤退しました。さらに、SuSEがノベルに買収されたことで、SuSEがレッドハットに次ぐ存在になる可能性も警戒されました。

2004年1月22日、ノベルのプレスカンファレンスにおいて、活動停止状態にあったUnited Linuxの終了が正式に発表されました。しかし、一定の標準化とISVの支持を得られたことから、初期の目的は達成されたと評価する声もあります。

United Linuxの歴史

2002年5月: ターボリナックス、SuSE（後にノベルが買収）、Conectiva（後にMandrakesoftと合併しMandrivaに）、The SCO Group（旧名：Caldera System→Caldera International）が共同でUnited Linuxを設立。
2002年11月19日: United Linux 1.0がリリース。
2003年2月: ターボリナックスが「Turbolinux Enterprise Server 8 powered by United Linux」をリリース。
2004年6月1日: ノベルがUnited Linuxを基にした「SUSE Linux Enterprise Server 8」をリリース。

United Linuxを基にした製品

Turbolinux Enterprise Server 8 powered by United Linux
SUSE Linux Enterprise Server 8
Conectiva Linux Enterprise Edition
SCO Linux Server 4.0

まとめ

United Linuxは、Linuxディストリビューションの統一化を目指した野心的なプロジェクトでしたが、様々な要因により短期間で活動を終えました。しかし、その試みは、Linux業界における標準化の重要性を示し、後のLinuxディストリビューションの発展に影響を与えたと言えるでしょう。

外部リンク

* 解散？　存続？――UnitedLinuxはどうなったのか - ITmedia

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