V.D. -バニッシュメント・デイ-

『V.D. -バニッシュメント・デイ-』

『V.D. -バニッシュメント・デイ-』は、GCRAFTとFuzzによって製作され、DMM.comとGCRAFTが運営していたブラウザゲームです。2014年12月16日にサービスが開始され、短い期間ながらも人気を博しました。このゲームは、フロントミッションシリーズでの功績を持つプロデューサー・土田俊郎と、著名な音楽家・下村陽子が19年ぶりに共作したことから、特に注目されました。なお、Android/iOS版は2017年1月20日にサービスを終了し、ブラウザ版も2017年6月23日にその運営を終えました。

ゲームの概要

物語は、日本が連鎖地震に見舞われた後の状況から始まります。謎の企業「レイマン・インダストリー」が自動兵器「オートマトン」を駆使して各地を制圧し、日本全土を掌握します。この危機に立ち向かうのが、武装組織「C.M.S.」です。プレイヤーはC.M.S.の現場指揮官として、「特隊生」と呼ばれる特殊な能力を持つ若者たちを指揮し、日本の解放を目指していきます。

ストーリーとキャラクター

プレイヤーは指揮官として特隊生を集め、クエストや戦闘に応じて彼女たちを編成・育成します。敵部隊のメンバーをスカウトすることも可能であり、多彩なキャラクターたちが登場します。例えば、高槻遥や山鹿陽菜といった主要なキャラクターは、声優に求められた演技を通じて魅力を発揮していました。ゲーム内ではキャラクター個々のバックストーリーも描かれ、プレイヤーの戦略に影響を与える場面が多く見られました。

開発の背景

開発を手掛けた土田俊郎は、日本を舞台にしたゲームのアイデアを温めてきた背景があり、その思いが詰まった作品となりました。企画を提出した際、DMM.comが魅力を感じた結果、プロジェクトが立ち上がりました。最初の構想ではプラットフォームや具体的なジャンルは未定でしたが、最終的にはシミュレーションRPGとしての形に収束しました。物語は段階的に配信され、完結を迎えた後もキャラクターとの交流を楽しむことができる工夫がされていました。土田は、「ゲームが終わらないのは不自然だ」として、明確な目標設定の重要性を語っています。

音楽

音楽面では、土田が長年信頼を寄せる下村陽子が参加しました。下村は「気軽にプレイできる」ブラウザゲームのイメージを持ちながら、エピソードに相応しいオーケストラサウンドを意識しました。沈むような重厚感のある曲は敬遠したものの、ゲームの特性に合わせて、よりダイナミックで感情に訴える楽曲が仕上がりました。結果的に、ホーム画面や準備画面においても下村の提案が取り入れられ、多くのプレイヤーに親しまれる音楽となりました。

結論

『V.D. -バニッシュメント・デイ-』は、視覚的・聴覚的な要素が組み合わさった独自の体験を提供しました。短期間の運営ではありましたが、ゲームの世界観や物語、その根底に流れる開発者たちの思いが、プレイヤーに深い印象を与えることができたゲームと言えるでしょう。

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