VARIETY

アルバム『VARIETY』の概要

『VARIETY』（ヴァラエティ）は、1984年の4月25日にリリースされた竹内まりやの通算6枚目のオリジナル・アルバムです。本作は、アルファ・ムーン（現在はワーナーミュージック・ジャパン）から発売されました。これは、音楽活動を一時休止していた彼女の本格復帰を意味する作品であり、シンガーソングライターとしての第一歩を記念する重要なアルバムです。

アルバムの制作背景

竹内まりやは、1981年末に音楽活動を中断した後、約3年の歳月を経て新たにリリースを果たしました。休業中には多くの著名作品を作詞・作曲し、特に夫でありプロデューサーの山下達郎と共に音楽シーンに存在感を示していました。1982年には、山下の担当ディレクターである小杉理宇造がレコード会社「アルファ・ムーン」を設立し、二人はその新会社に移籍しました。

当初、アルバムに関しては外部の作家を起用しての制作が計画されていましたが、竹内が休業中に書きためた曲の質の高さに山下が感銘を受け、全曲を竹内のオリジナル楽曲としてまとめることが決定しました。リリース日は、彼女が長女を出産した時期と重なっており、復帰作とは思えない成功を収めることになるのです。

商業的成功とヒット曲

『VARIETY』はオリコン週間チャートで初登場1位を獲得し、最終的には30万枚以上の売上を記録しました。この成果は、竹内の音楽活動がいかに多くのファンに支持されていたかを示しています。特に「本気でオンリーユー（Let's Get Married）」や「ふたりはステディ」などのヒット曲は、多くのリスナーの心に残る名曲となっています。

また、アルバムの裏ジャケットには、竹内が飼っていたミニチュア・シュナウザーの犬「グーフィー」が登場し、ファンに愛らしい印象を与えました。

他アーティストとの関わり

竹内のデビュー期には、岡田有希子が「マージービートで唄わせて」や「もう一度」などの曲をカバーしており、時代を超えて多くのアーティストに影響を与える存在となっています。さらに、「本気でオンリーユー (Let's Get Married)」と「ふたりはステディ」の制作には、坂本龍一が参加しています。このコラボレーションは、坂本が別のレコーディングを行っていた際に、山下達郎と声を掛け合ったことから実現しました。

坂本と山下は互いのスタジオで作業を行い、アルバムの製作においてもそのクリエイティブな関係が影響を及ぼしました。特にこのようなコラボレーションは、80年代の日本音楽シーンにおける新しい風潮を作り出すことに寄与しました。

総括

『VARIETY』は、竹内まりやの音楽キャリアの中で重要な位置を占める作品であり、シンガーソングライターとしての実力を証明するアルバムです。全ての曲を自身で手掛け、山下达郎のプロデュースにより制作され、高い評価を得ている本作は、今でも多くのファンに愛され続けています。

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