VLS

垂直発射システム（VLS）

VLS（Vertical Launch System）は、潜水艦を含む艦艇に搭載されたミサイル発射装置です。このシステムは、日本語で「垂直発射システム」または「垂直発射装置」と呼ばれています。VLSは、ミサイルを迅速に発射できる設計が特徴で、発射筒が「セル」と呼ばれる保管容器として機能します。これにより、ミサイルは上向きの弾頭を保持した状態から、垂直に発射され、飛行中に姿勢を変えて目標に向かいます。

発射方法

VLSには主に二つの発射方式があります。一つは「ホットローンチ」と呼ばれ、ミサイル 자체のエンジンで発射される方式です。もう一つの「コールドローンチ」は、外部のガスを利用してミサイルを射出し、空中で点火されます。この方式は、特に大型のミサイルにおいて安全性が優れています。

ホットローンチでは、ミサイルが直接自身のエンジンで発射筒を離れます。これにより、外部装置が不要になり、構造が簡素化され、信頼性やコスト面でも優れた特性があります。一方、コールドローンチでは、ミサイルが誤作動を起こしても被害を軽減できるという利点があります。特に大型のミサイルが搭載される場合、コールドローンチの安全性が際立ちます。

各国のVLSの特長

アメリカのVLSは、格子状に配置されたホットローンチ式セルを持ち、発射のためには特別な排気装置が用意されています。フランスやイギリス、ロシアのシステムもそれぞれ独自の設計があり、機能面や発射方式に違いがあります。たとえば、ロシアのリボルバータイプでは、同時に複数のミサイルが発射可能です。

また、各国のVLSは、装填や発射のメカニズムに違いがあります。ミサイルは一般的に筐体に格納された状態で、クレーンなどを用いて発射機内部に装填されます。発射時には、上部の蓋が開き、弾体が上に向けて発射されます。発射の速度や精度においても、VLSは従来の方法よりも格段に優れています。

利点と欠点

VLSの主な利点は、発射位置が密閉されているため、悪天候に左右されにくいことや、連射能力が高い点です。例えば、1分間に1発以上の連射が可能で、従来の発射システムよりも遥かに迅速に対応できます。また、発射筒が独立しているため、故障が発生してもその他の発射筒には影響が少なくなります。

一方で、VLSには若干の欠点もあります。発射筒の数が減るとコスト面での負担が増し、小型艦艇にとっては費用がかさむことがあります。また、高速で飛来する目標への対応には時間がかかるため、迎撃能力には限界があります。さらに、ミサイルが上向きで発射される際、発射後にエンジンが故障するリスクも内在しています。

まとめ

VLSはその設計により、現代の軍艦において重要な役割を果たしています。進化するミサイル技術に対し、高い汎用性を持っているVLSは、さまざまなミサイルを運用する能力を備えています。これにより、未来の戦争においても重要な駆逐艦や潜水艦に搭載され、その活躍が期待されています。

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