VRカレシ

『VRカレシ』は、IVRより配信されていたiOS/Android用恋愛シミュレーションゲームアプリです。サービス提供期間は2021年6月24日から2022年6月30日まででした。

ゲームシステム

本作は、複数の魅力的な男性キャラクターの中から一人を選び、そのキャラクターとの恋愛ストーリーをVRで体験できるという内容です。ストーリーはチャプターとエピソードで構成され、告白などの重要なシーンはVRで表現されることで、より没入感の高い体験が可能です。

また、キャラクターメイキング機能が搭載されており、プレイヤーは自分の好みに合わせてキャラクターの体型などを細かく設定することができます。主人公はファッションコーディネーターという設定で、ストーリー内では男性キャラクターにモデルとして協力してもらい、様々な衣装を楽しむことができます。衣装の中にはVRイベントを楽しめるものもあり、一部は有料で入手可能です。

登場人物

穂波アキト

声 - 細谷佳正
主人公の幼なじみで、喫茶店「はるかぜ」を大切に思っています。

白川奏摩

声 - 森久保祥太郎
喫茶店「はるかぜ」のマスターですが、経営にはあまりやる気がありません。異性にはモテますが、本気の恋愛経験はありません。

楠木ゆう

声 - 鈴木千尋
主人公の高校時代の後輩。「はるかぜ」で働く傍ら、俳優としても活動しています。

山城洋介

声 - 平田広明
「はるかぜ」のマスター。明るい性格ですが、若干だらしない一面も。以前は救急医でしたが、ある事情で辞職しました。

開発

IVRは、元々アダルトゲームブランドであるILLUSIONの一般向けブランドとして発足し、その後株式会社シスのVR開発事業部門となりました。これまで様々な企業から委託される形でVR作品を制作してきましたが、自社作品を制作したいという思いから、本作と『Vカツ』の開発を進めました。

本作の企画は、IVRの代表である持田規実彰氏によるもので、開発は2017年頃からスタートしました。「VRカレシ」という名称は、2017年のイリュージョンのエイプリルフールで初めて登場し、大きな反響を呼びました。当初は9人程度の開発体制でしたが、東京ゲームショウ2018（TGS2018）への出展をきっかけに人員が増強され、最終的には20人程度の体制となりました。また、当初は男性スタッフが中心でしたが、次第に女性スタッフも増えていきました。IVRにとって、本作は初の女性向け作品であり、外部の女性ライターがシナリオを担当しました。

男性向けVR作品では露骨な表現が好まれる傾向にありましたが、本作では、遠回しで思わせぶりな表現が多用され、じっくりと距離を縮めていく内容となっています。また、高性能なPCよりもスマートフォンが広く普及していることを考慮し、同社初のスマートフォン用ソフトとして開発されました。TGS2018で出展されたバージョンはデータ量が多かったため、端末が熱くなる問題がありましたが、TGS2019の出展に向けてデータ量が削減されました。VR作品であるため、背景美術やキャラクター、小道具に至るまでリアルに描写されており、例えば、楠木ゆうとの食事シーンに登場する料理は、実際に温めたものを3Dキャプチャして取り込むなど、細部にまでこだわった制作が行われました。

セッティング

本作のシナリオは、主人公が男性キャラクターとの交流を通して、彼らの悩みを共に解決していくという内容です。プレイヤーの幼なじみである穂波アキトは、持田氏とアートディレクターの話し合いによってキャラクター像が固められました。キャラクターの構築には時間がかかり、TGS2018開催の一週間前にようやく顔が完成したとのことです。持田氏は後日、「今考えるとぞっとするスケジュールだった」と振り返っていますが、時間をかけた分、素晴らしいものができたと語っています。また、アキトの反響に気を揉み、公式Twitterの開設を忘れていたというエピソードも明かしています。

プレイヤーに「カレシに会いに行くことで安心できる場所へ帰ってくる」という感覚を味わってもらうため、各キャラクターは主人公と同居している設定となっています。日々のログインによってキャラクターの発言が変化する仕組みや、SNS上でのやりとりを疑似体験できる機能も追加されました。キャラクターの声優には、男性にも人気のある男性声優が起用されました。声優はモーションアクターの演技を見ながら声を当て、グラフィッカーが微調整を行うという形で収録が行われました。

広報

2018年9月20日から23日に開催された東京ゲームショウ2018（TGS2018）に出展されました。ブースは、本作の舞台である喫茶はるかぜを模したものが用意され、はるかぜの看板犬「ハルオ」のイラストが入ったハコスコが体験者向けに配布されました。

脚注

注釈

出典

外部リンク

公式ウェブサイト
VRカレシ (@vrkareshi_IVR) - X（旧Twitter）
VRカレシ (@vr_kareshi) - Instagram
VRカレシ - YouTubeチャンネル

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