VTAM

VTAM (Virtual Telecommunications Access Method) は、IBMが提供するメインフレームコンピュータ環境向けの通信ソフトウェアパッケージです。

これは、Systems Network Architecture (SNA) の実装として機能し、SNAネットワークにおける通信を制御するためのAPI（Application Programming Interface）として利用されます。つまり、VTAMはSNAネットワーク内でデータや情報をやり取りするための中心的な役割を担っています。

VTAMは、SDLC（Synchronous Data Link Control）やトークンリングなどの複数の通信プロトコルをサポートしており、異なるネットワーク環境との接続を可能にします。

IBM 3745/3746などの専用ハードウェアをサポートすることで、社会インフラを支える重要な役割を果たしてきました。そのため、VTAMとSNAは、今日でも多くの企業で依然として利用され続けています。

VTAMサブシステムは、Job Entry Subsystem 2/3 (JES2/JES3) から投入される制御カードや、システムコンソールから入力されるコマンドによって制御されます。これにより、システム管理者はVTAMの動作を柔軟に管理できます。

OS/390環境では、VTAMは「Communications Server」のSNAサービス機能としてリブランドされました。このCommunications Serverは、TCP/IPプロトコルもサポートしており、SNA以外のネットワーク環境との連携も可能になっています。

VTAMは、メインフレームシステムにおける通信の中核を担うソフトウェアであり、長年にわたり、安定した通信環境を提供し続けてきました。その柔軟性と信頼性は、多くの企業で重要なシステムを支える基盤となっています。

主な特徴は以下の通りです。

SNAネットワーク制御: SNAネットワーク内の通信を管理・制御するAPIを提供します。
多様なプロトコルサポート: SDLCやトークンリングなど、複数の通信プロトコルをサポートしています。
ハードウェア連携: IBM 3745/3746などの専用ハードウェアと連携して動作します。
柔軟な制御: JES2/JES3やシステムコンソールからのコマンドで制御可能です。
* TCP/IPサポート: Communications Serverとして、TCP/IPネットワークとの連携も可能です。

VTAMは、企業が基幹システムを安定して運用するために欠かせない技術であり、その重要性は今日においても変わりません。SNA環境だけでなく、TCP/IP環境への拡張も進められており、その活用範囲はますます広がっています。

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