W.A.S.P.
W.A.S.P.（ワスプ）は、アメリカ合衆国出身のヘヴィメタルバンドです。1980年代の「LAメタル」シーンを代表するバンドの一つとして知られています。中心人物であるブラッキー・ローレスの強烈なキャラクターと、キャッチーな音楽性、そして過激なパフォーマンスで人気を博しました。後年は、ブラッキーのソロプロジェクト的な側面が強まり、音楽性もより正統派なヘヴィメタルスタイルへと変化していきました。
W.A.S.P.は1982年、ブラッキー・ローレスを中心にロサンゼルスで結成されました。1984年4月、シングル「Animal (Fuck Like A Beast)」でデビュー。しかし、その過激なタイトルと歌詞が問題視され、所属レコード会社のキャピトル・レコードからの発売が許可されませんでした。そのため、インディーズレーベルのミュージック・フォー・ネイションズからリリースされ、全英シングルチャートで83位を記録しました。
同年8月、キャピトル・レコードからデビューアルバム『W.A.S.P.』が発表されました。問題となった「Animal」は収録が見送られましたが（後にリマスター盤CDに収録）、バンドは着実に人気を獲得していきました。しかし、同年9月にはドラムのトニー・リチャーズが脱退し、後任としてスティーヴン・ライリーが加入しました。
1985年11月には、2ndアルバム『The Last Command』を発表。1986年7月には、ランディ・パイパーが脱退したため、後任にジョニー・ロッド（元キング・コブラ）が加入。同年11月リリースの3rdアルバム『Inside The Electric Circus』以降、ブラッキーがベースからリズムギターにパートチェンジしました。
1987年8月には、「モンスターズ・オブ・ロック」に出演。1989年2月に4thアルバム『The Headless Children』をリリースしましたが、同年9月にはオリジナルメンバーだったクリス・ホルムズが脱退。デビュー当時からのメンバーがブラッキーのみとなり、バンドはほぼ解散状態となりました。
1992年6月、ブラッキーがソロアルバムとして制作した『The Crimson Idol』を、レコード会社のアドバイスによりW.A.S.P.名義の5thアルバムとして発表。この作品は、ザ・フーの『トミー』に影響を受けたコンセプトアルバムであり、ツアーにはダグ・ブレアーが参加しました。同年8月には、「モンスターズ・オブ・ロック」に再び出演。
1995年の6thアルバム『Still Not Black Enough』も、ブラッキーのソロプロジェクトの意味合いが強い作品となりました。1997年の7thアルバム『KILL FUCK DIE』で、クリス・ホルムズが復帰。
『K.F.D.』時のメンバーにより、『Helldorado』（1999年）、『Unholy Terror』（2001年）の2作が発表されました。2001年にはクリスが再び脱退し、『Unholy Terror』のツアーにはダグ・ブレアーが参加しました。
2002年には、ダレル・ロバーツを加え『Dying For The World』を発表。湾岸戦争に参加した兵士からのファンレターにブラッキーが感銘を受け、「彼らに新しいものを提供せねばならない」と語ったエピソードがあります。そのファンレターには、兵士が戦車で突撃する際に「Animal」や「Wild Child」を大音量で流したという内容が書かれていました。
2004年には、コンセプトアルバム『The Neon God: Part 1 - The Rise』、『The Neon God, Part 2 - The Demise』を発表。ツアー後、ダレル・ロバーツとステット・ホーランドが脱退しました。
2007年にはダグ・ブレアーが復帰し、マイク・デュプキーが加入。『Dominator』を発表。2007年から2008年にかけては、クリムゾン・アイドル15周年アニバーサリーツアーを実施。スクリーンにクリムゾン・アイドルの映像を上映しつつ、アルバムの楽曲を忠実に再現するステージを披露しました。
2009年には『Babylon』を発表。「Babylon's burning」のプロモーションビデオが制作されました。2015年には、マイク・デュプキーの脱退を経て6年ぶりの新作『Golgotha』がリリースされ、アメリカのBillboard 200で93位を記録し、26年ぶりに全米トップ100入りを果たしました。
2018年には、5thアルバム『The Crimson Idol』の発売25周年を記念したリレコーディング作品『Re-Idolized (The Soundtrack To The Crimson Idol)』を発表しました。
ブラッキーは、股間にノコギリをつけたファッションや、血糊を飲むなどの過激なパフォーマンスを展開しました。クリスは股間を掻き毟り（本人の弁によると毛虱が原因）、ランディはコスチュームの背中から煙を噴出していました。『Kill Fuck Die』に伴うツアーでは、豚（もちろん模型）を殺すという残虐なショーも行われましたが、1997年の来日公演では神戸連続児童殺傷事件の直後だったため、このパフォーマンスは自粛されました。
来歴
W.A.S.P.は1982年、ブラッキー・ローレスを中心にロサンゼルスで結成されました。1984年4月、シングル「Animal (Fuck Like A Beast)」でデビュー。しかし、その過激なタイトルと歌詞が問題視され、所属レコード会社のキャピトル・レコードからの発売が許可されませんでした。そのため、インディーズレーベルのミュージック・フォー・ネイションズからリリースされ、全英シングルチャートで83位を記録しました。
同年8月、キャピトル・レコードからデビューアルバム『W.A.S.P.』が発表されました。問題となった「Animal」は収録が見送られましたが（後にリマスター盤CDに収録）、バンドは着実に人気を獲得していきました。しかし、同年9月にはドラムのトニー・リチャーズが脱退し、後任としてスティーヴン・ライリーが加入しました。
1985年11月には、2ndアルバム『The Last Command』を発表。1986年7月には、ランディ・パイパーが脱退したため、後任にジョニー・ロッド（元キング・コブラ）が加入。同年11月リリースの3rdアルバム『Inside The Electric Circus』以降、ブラッキーがベースからリズムギターにパートチェンジしました。
1987年8月には、「モンスターズ・オブ・ロック」に出演。1989年2月に4thアルバム『The Headless Children』をリリースしましたが、同年9月にはオリジナルメンバーだったクリス・ホルムズが脱退。デビュー当時からのメンバーがブラッキーのみとなり、バンドはほぼ解散状態となりました。
1992年6月、ブラッキーがソロアルバムとして制作した『The Crimson Idol』を、レコード会社のアドバイスによりW.A.S.P.名義の5thアルバムとして発表。この作品は、ザ・フーの『トミー』に影響を受けたコンセプトアルバムであり、ツアーにはダグ・ブレアーが参加しました。同年8月には、「モンスターズ・オブ・ロック」に再び出演。
1995年の6thアルバム『Still Not Black Enough』も、ブラッキーのソロプロジェクトの意味合いが強い作品となりました。1997年の7thアルバム『KILL FUCK DIE』で、クリス・ホルムズが復帰。
『K.F.D.』時のメンバーにより、『Helldorado』（1999年）、『Unholy Terror』（2001年）の2作が発表されました。2001年にはクリスが再び脱退し、『Unholy Terror』のツアーにはダグ・ブレアーが参加しました。
2002年には、ダレル・ロバーツを加え『Dying For The World』を発表。湾岸戦争に参加した兵士からのファンレターにブラッキーが感銘を受け、「彼らに新しいものを提供せねばならない」と語ったエピソードがあります。そのファンレターには、兵士が戦車で突撃する際に「Animal」や「Wild Child」を大音量で流したという内容が書かれていました。
2004年には、コンセプトアルバム『The Neon God: Part 1 - The Rise』、『The Neon God, Part 2 - The Demise』を発表。ツアー後、ダレル・ロバーツとステット・ホーランドが脱退しました。
2007年にはダグ・ブレアーが復帰し、マイク・デュプキーが加入。『Dominator』を発表。2007年から2008年にかけては、クリムゾン・アイドル15周年アニバーサリーツアーを実施。スクリーンにクリムゾン・アイドルの映像を上映しつつ、アルバムの楽曲を忠実に再現するステージを披露しました。
2009年には『Babylon』を発表。「Babylon's burning」のプロモーションビデオが制作されました。2015年には、マイク・デュプキーの脱退を経て6年ぶりの新作『Golgotha』がリリースされ、アメリカのBillboard 200で93位を記録し、26年ぶりに全米トップ100入りを果たしました。
2018年には、5thアルバム『The Crimson Idol』の発売25周年を記念したリレコーディング作品『Re-Idolized (The Soundtrack To The Crimson Idol)』を発表しました。
パフォーマンス
ブラッキーは、股間にノコギリをつけたファッションや、血糊を飲むなどの過激なパフォーマンスを展開しました。クリスは股間を掻き毟り（本人の弁によると毛虱が原因）、ランディはコスチュームの背中から煙を噴出していました。『Kill Fuck Die』に伴うツアーでは、豚（もちろん模型）を殺すという残虐なショーも行われましたが、1997年の来日公演では神戸連続児童殺傷事件の直後だったため、このパフォーマンスは自粛されました。
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