W33 (核砲弾)

W33 核砲弾について

W33は、アメリカ合衆国によって開発された203mm榴弾砲用の核砲弾であり、その製造は1957年1月から始まり、1992年には廃棄が進められました。総生産数は約2,000発であり、主に冷戦時代に戦術的な武器としての役割を果たしました。

概要

W33はロスアラモス国立研究所において設計され、実質的にはM65 280mmカノン砲（11インチ）向けに開発されたW9およびW19核砲弾の後継モデルとなります。W33は、203mm（8インチ）榴弾砲からの発射を前提として設計されており、その長さは37インチ（約94cm）、重さは243ポンド（約110kg）に達します。また、この砲弾はガンバレル方式の核分裂弾頭を使用しており、核物質には高濃縮ウランが使用されています。

特徴とサブタイプ

W33の特徴の一つは、核弾頭の小型化にあり、これにより特別な280mm砲を必要とせずとも、一般的な203mm榴弾砲で運用できるようになりました。これによって、戦術的な柔軟性が大幅に向上しました。W33には4つの異なるサブタイプが存在し、それぞれ異なる核出力を持っています。

• - Y1: 核出力 0.5kt
• - Y2: 核出力 40kt
• - Y3: 核出力 10kt
• - Y4: 核出力 5kt

これらのサブタイプは、様々な戦術的状況に応じた使用が可能であり、それぞれの核出力の違いにより、特定の戦場に応じた戦略的な選択肢を提供しました。

核実験

W33の核実験は、1957年9月8日と1962年5月12日の二回にわたって行われました。これらの実験は、榴弾砲からの実射試験ではなく、1957年の実験は気球に吊り下げての試験、1962年の実験は地下での核実験という形で実施されています。これにより、W33の性能と信頼性が評価されることとなりました。

結論

W33は、アメリカの核戦略の一部として重要な役割を果たし、203mm榴弾砲という一般的な兵器を核戦力として活用することを可能にしました。その設計やサブタイプは多様な戦術を可能にし、冷戦時代の軍事技術の進化に大きく寄与しました。

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