WRESTLE-1

WRESTLE-1の歴史と特徴

WRESTLE-1（レッスル-ワン）は、2013年に設立された日本のプロレス団体で、プロレス界に新たな風を吹き込むことを狙った近未来的なスタイルが特徴でした。本団体は武藤敬司により創立され、彼のビジョンを体現しています。団体名の「WRESTLE-1」は、ファンタジーファイトの名の下に生まれ、略称の「W-1」には「Wrestling」「Worldwide」「Win」などの意味合いを持たせたものです。

団体のスタイルと対戦形式

WRESTLE-1は設立当初、試合カードの発表スタイルにユニークなアプローチを取っていました。選手名は事前に発表され、その中でフリー選手や他団体の選手には「X」と表記される形をとり、試合当日に対戦カードを発表するという方法を採用していました。また、試合の合間に幕間劇を取り入れるなど、アメリカンプロレスの影響を強く受けたスタイルが印象的でした。

ですが、2014年からは対戦カード発表のスタイルが変わり、次第に事前発表へとシフトしていきました。この頃には国内の他団体との対抗戦を積極的に行い、プロレスリングZERO1や大日本プロレス、WNCなどとの熱い戦いが繰り広げられたのです。特にZERO1との抗争は、団体間の緊張関係の象徴とも言えるもので、武藤敬司の関与によって深まりました。

一方、WNCの選手がWRESTLE-1に加わる動きもあったものの、活動休止後には残された若手選手が異なる形で新たな道を模索していました。全日本プロレスとの交流も始まり、団体間の壁を超えた対戦が実現するなど、新たな取り組みも見られました。

海外との提携

WRESTLE-1は、設立時から海外団体との業務提携にも積極的でした。特にTNAとの提携が注目され、アメリカから多くの外国人選手を招聘し、日本での試合に参加させる取り組みが行われていました。しかし、この提携は後にプロレスリング・ノアに切り替えられたことから、海外との交流は次第に希薄になっていきました。メキシコのAAAやヨーロッパの団体との関係も同様に薄れ、当初の期待されていた国際的な大会や統一王座の創設といった構想は実現しませんでした。

タイトル戦の創設

設立当初はフラッグシップタイトルを保持しない方針を掲げていましたが、2013年の夏に船木誠勝の呼びかけにより、WRESTLE-1チャンピオンシップが創設されます。その後もタッグ王座やクルーザーディビジョン王座などが続々と設立され、団体内での競争を促すこととなりました。

終息と新たな道

WRESTLE-1は2020年の新型コロナウイルスの影響を受け、無期限の活動休止を発表するに至ります。約6年半の歴史の中で、多くの選手がWRESTLE-1から旅立ち、新たなチャレンジを求めました。創業者の武藤敬司はその後プロレスリング・ノアに所属し、他の選手たちも新しい道を進んでいきます。これにより、WRESTLE-1の華やかな歴史に幕が下ろされました。

WRESTLE-1は、その特異なスタイルと数々の熱戦を通じて、日本のプロレス界に大きな足跡を残しました。団体の意義と成果は今でもファンに語り継がれています。

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