WS-13 (エンジン)

渦扇-13エンジンについて



渦扇-13（WS-13）は中華人民共和国の貴州飛機工業公司が開発したターボファンエンジンであり、特にJF-17戦闘機への搭載が注目されています。このエンジンは、RD-33エンジンを基にしたRD-93の派生型として、2000年代初頭に開発が始まりました。

開発の経緯



2000年から中国はRD-93エンジンの導入を行っていましたが、2003年からはRD-33をベースとした国産エンジンの開発が着手されました。この新たなエンジンが必要となったのは、RD-93が同国のJF-17戦闘機のエンジンとしてロシアの承認なしに輸出できないためです。特に2007年には無許可でパキスタンにJF-17が輸出されたことが国際問題に発展し、再輸出許可を取得する必要がありました。

開発の初期段階では「天山-21」という名称が付けられていましたが、後に中国空軍の副司令官である馬曉天中将によって「泰山」という名に改称されました。2010年には、WS-13を搭載したJF-17がタキシングテストを完了し、2012年には中国での初飛行が報じられました。これにより、WS-13は実用化に向けた重要なステップを踏んでいくことになります。

開発状況と性能



2014年には、シンガポール・エアショーにおいて1、2年内に実用化されるとの報告もありましたが、過去のWS-10（渦扇-10）エンジン開発の進展が疑問視されていました。2016年には、新しい型のエンジンが飛行試験に成功したと報じられ、これはWS-13Eである可能性が高いとされています。

WS-13の仕様



WS-13エンジンの基本性能は以下の通りです：

その推力仕様は、以下の数値を誇ります：

また、エンジンの性能指標としては、タービン入口温度が1650K（1,377°C）、燃料消費率はドライ時が2.02、巡航時が0.65、アフターバーナー時が0.73となっています。加えて、推力重量比は7.8であり、オーバーホール間隔は810時間、運用寿命は2,100時間とされています。

派生型



WS-13にはいくつかの派生型が存在します。その一つがWS-13Aで、主にARJ21や輸送機をターゲットとし、アフターバーナーを除去した高バイパス比型となっています。さらに、推力が100kNの改良型も開発中と報告されています。試作段階のJ-31もRD-93を使用しているため、WS-13系列のエンジンを搭載する可能性があります。

まとめ



渦扇-13エンジンは、中国の航空技術の発展に寄与する重要な要素であり、特にJF-17戦闘機の性能向上に大きな影響を与えると期待されています。

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