WZ-7 (航空機)

WZ-7翔龍（Guizhou WZ-7 Soaring Dragon）

WZ-7翔龍は、中華人民共和国における高高度長時間滞空無人機（HALE）で、中国の成都飛機設計研究所によって設計され、貴州航空工業集団有限責任公司が生産を行っています。この記事では、WZ-7翔龍の開発から運用、機体や搭載機器の詳細に至るまでを紹介します。

開発の経緯

WZ-7の初めての姿は、2006年に開催された珠海エアショーで公開された模型です。この模型には、成都飛機設計研究所を示すロゴが印刷されており、同研究所が開発に深く関わっていることが分かります。2011年には、中国人民解放軍空軍のラウンデルを施した技術実証機の写真が流出し、2013年には、その機体の特長である尾翼の結合翼をV字尾翼に改良した「EA-03」の動画が撮影されました。このように開発は着実に進んでおり、その後の運用においても多様な改良が施されています。

具体的な運用歴

WZ-7は2017年にチベット自治区のシガツェ空港に配備されました。初の実運用が行われたのは2019年7月、台湾海峡においてアメリカ海軍の艦船を監視する任務でした。以降、2023年には沖縄周辺地域で航空自衛隊による領空侵犯対応としてWZ-7が確認され、その後も日本海や南シナ海での飛行が記録されています。

特に2024年3月26日には、中国の無人機が日本海を飛行していることが防衛省から発表され、大きな注目を集めました。さらに、同年4月20日にはフィリピン近くの南シナ海での飛行が確認され、6月26日には鹿児島付近での飛行が報告されています。これらの情報は、WZ-7の運用範囲が広がっていることを示しています。

機体の特長

WZ-7の機体デザインには、いくつかの特徴があります。主翼は高アスペクト比の後退翼を採用しており、低翼配置になっています。また、主翼の翌端にはウイングレットが設置されており、空力性能を向上させています。水平尾翼は主翼の付け根から翌端にかけて約三分の二の位置で接続された結合翼です。ランディングギアは前輪式の引き込み式が採用されています。

エンジンおよび搭載機器

WZ-7は、型式不明のターボファンエンジンを1基搭載しています。この機体はドーサルインテーク方式を採用しており、エンジンの効率的な運用を図っています。また、監視や照準用のセンサーが搭載されていると考えられており、運用ミッションにおける効果的なデータ収集が期待されています。

誘導と通信手段

詳細は不明ですが、WZ-7の機体上面には衛星通信アンテナが装備されており、これにより遠隔地からの操縦やデータ伝送が可能となっています。

スペック

• - 全長: 14.0m
• - 全高: 5.4m
• - 全幅: 23.0m
• - 最大離陸重量: 7,500kg
• - ペイロード: 650kg
• - 運用高度: 18,000m
• - 巡航速度: 750km/h
• - 航続距離: 7,000km

まとめ

WZ-7翔龍は、中国の無人航空機開発の進化を象徴する機体であり、その運用実績は年々増大しています。今後も、その活動が国際情勢に影響を与える可能性があるため、注視する必要があるでしょう。

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