Wakamaru

wakamaru（わかまる）

wakamaruは、三菱重工業が手掛けた人間とのコミュニケーションを主眼としたロボットであり、身長は100cm、直径45cm、体重30kgと、使いやすいサイズ感を持っています。このロボットは、周囲の環境認識を行い、人間を検知してオーナー（最大2名）や他のユーザー（最大8名）の顔を識別することができます。また、音声を認識し、簡単な会話を交わす能力も備えています。

さらに、wakamaruは、インターネットを通じて最新ニュースを受信したり、留守中の家人を遠隔で確認できる機能を持っています。外出先から操作できることにより、安心感を提供する役割を果たしています。また、自動的に周囲の物音や移動物を検知し、指定された連絡先に通知を行うことも可能です。これにより、家庭での安全管理や情報収集が容易になります。

移動に関しては、がりんこ走行方式を採用しており、10mm以下の段差をスムーズに乗り越えることができます。ただし、プライマリにバリアフリー環境での運用を想定しており、それ以上の段差や障害物を避けるために超音波センサも装備されています。ロボット本体の外周にはバンパーが設置され、腕部分には衝突検出センサが備わっています。このため、障害物に接触した場合、速やかに停止する仕組みが整えられています。

デザインは著名なデザイナー喜多俊之によるもので、人間が抱く「信頼」に基づいて人型のフォルムが選ばれています。この形状は、より良いパートナーシップを構築するために大き目の瞳と表情豊かな唇を持たせる意図があります。これらの設計によって、利用者は印象的かつ親しみやすい存在としてのwakamaruを受け入れやすくなっています。実際、産業用ロボットと比較した心理的反応の実験では、wakamaruに対する評価が非常に高い結果が得られています。

「wakamaru」の名前は、源義経の幼名「牛若丸」から取られており、古くからの日本の歴史に根ざした意味合いがあります。初めてその姿が報道されたのは2003年であり、その後、2005年には日本国際博覧会で三菱未来館の案内役として活動。また、2010年にはあいちトリエンナーレの舞台で平田オリザが脚本・演出を手がけた作品にも登場しました。

wakamaruは国際電気通信基礎技術研究所が開発したRobovieを基盤にしており、コストを抑えた超音波距離センサとスポット検出型赤外線距離センサを組み合わせているため、一般家庭にも導入可能な存在となっています。しかしながら、実際の家庭環境では商業的成功には至らなかったのが現実です。

このように、wakamaruは技術的に高い能力を持ちながらも、実用化には多くの課題が残されている未来的なロボットとして位置付けられています。

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