Walker47

『Walker47』の概要と背景

『Walker47』は、株式会社KADOKAWAと株式会社Walker47が手掛けるスマートフォン向け地域情報メディアサービスで、2014年6月16日に開始しました。このサービスの最大の特長は、全国1952地域にわたる地域編集長が提供する地域情報です。地域編集長は、地元のタウン情報誌や地域活性化団体で活動するスペシャリストたちであり、彼らがそれぞれの地域に特化した詳細な情報を発信します。

ただし、サービス開始からわずか1年半後の2015年1月13日に、Walker47はKADOKAWAの「Walkerplus」と統合される形でサービスを終了しました。これにより、Walker47の情報は一部がWalkerplusに移管され、地域編集長によるご当地情報は引き続きWalkerplus内で発表されることとなります。なお、運営会社のWalker47はKADOKAWAによる会社分割で設立されたものですが、サービス終了後、KADOKAWAに吸収合併されています。

サービスの特長

Walker47は、地域に密着した情報を提供するために設計されており、1200名の地域編集長によって運営されています。将来的には地域編集長の人数は2000名程度に増加する予定です。

その特性上、地域情報はGPS機能を利用して出し分けることができ、ユーザーが出かけた際にも周辺のおすすめスポットを簡単に知ることが可能です。これは、単に情報を提供するだけでなく、ユーザーの行動に基づいた利便性を提供することを目的としています。

さらに、このサービスではKADOKAWAが発行する雑誌の編集者によって作成されたコンテンツも提供され、より幅広い層のユーザーに楽しんでもらえる工夫がされています。地域編集長とKADOKAWAの編集者が共同で作成したコンテンツは、検索サイトや口コミサイトでは得られない、信頼性の高い価値ある情報を提供することを目指しています。

設立の背景

KADOKAWAの取締役会長、角川歴彦氏は、サービス発表時に「雑誌Walkerは主に5大都市を対象にしていたが、Walker47では47都道府県の地域情報を網羅する」というビジョンを示しました。彼はまた、2020年に開催される東京オリンピックに向けて、海外からの観光客が求める情報を収集し、プロの編集者によって整理されたプレミアムなコンテンツを提供していく意向を表明しました。

一方、Walker47の代表取締役社長である岩崎孝司氏は、地域情報誌編集の経験を踏まえ、地域に根付いた情報のニーズを確認し、継続的に情報を更新できるネットメディアの必要性を訴えています。彼は、情報が整理された形で提供されないことに不満を抱き、Walker47がそれに応える形で設立されました。

編集体制と情報提供

Walker47では、元週刊ファミ通の編集長である加藤克明氏と、東海ウォーカーの元編集長である長瀬正明氏の2名が編集長に就任しており、それぞれの編集者が異なる分野（ニュース系、エンタメ系）を担当しています。この体制により、効率的に情報を整理し、提供できる体制が整えられています。

加藤氏と長瀬氏は、現代のインターネットが抱える「情報過多」や「検索優位」の問題点を指摘しつつ、地域編集長が取材した貴重な情報を広く提供することを目指しています。彼らのビジョンは、地域に特有の情報を整理し、多くの人々に伝えることにあります。

このように、『Walker47』は地域に特化した情報を提供することに特化したサービスであり、地域の良さを引き出すための努力がなされていましたが、結果的にWalkerplusへとその役割が引き継がれることになりました。

もう一度検索